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記憶 side,M ページ17

「りっちゃんりっちゃん!」


「ま〜くん!」


昔、外に出れない凛月と何度も一緒に遊んだ。


ホントはサッカーとか野球とかもやりたかった。


けど、遊ぶ相手がいなくてただカーテンの閉じた暗い部屋でひとりぼっちな凛月の姿を想像すると、やっぱり放って置けなくて。


2人でいれば暗い部屋も少しは明るく感じ、暖かかった。



ある日、凛月が体調を崩した。


俺は学校から帰るとすぐに凛月の家に行って、ずっとそばに居た。


「ま〜……くん?」


貧血で青白い顔が俺の視界に入った。


瞬間、首筋にものすごい痛みが走った。


すごく、痛かった。


俺の頭は真っ白になった。


ゴクンッと飲み込む音がして、俺はその時、凛月に血を吸われたことを実感した。


俺から身を離した凛月は、そう、吸血鬼そのものだった。


怖かった。


滴る血も、痛みも、鋭い牙も、全部。


俺は家を飛び出した。


凛月は今にも泣きそうな顔をしていたけど、追いかけては来なかった。


家を出ると、人にぶつかった。


朔間さんだった。


泣いてる俺を見て、その前の一部始終の話を聞いてくれた。



「真緒、怖かったな」



ポンと、俺の頭に優しくてを乗せた。


俺はその時、さっきの凛月とのことを、全て忘れた。

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作者名:あざらし | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年2月26日 23時

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