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「すみません……俺があんな無茶しなければ先輩は俺の下敷きならなくてすみましたよね…」
「いや……私も悪かった。ごめん、無茶させて」
はいはーい。こんにちは。今回の主人公をやらせていただいています、Aと申します。
多分勘のいい読者さんは気付いていらっしゃると思うのですが、私、まだ一言も喋っておりません!
そして、なんとゆるキャラのキグルミからも出ていません!
「……辛い」
何故、私は尊敬するあんずちゃんと付き合っている彼氏のラブロマンス(?)を見せられなければいけないのだ…
しかもキグルミの中から。
「……は水に流して……」
「はい……いいです」
おや、話し合い?ラブロマンス?が終わったようですね。そろそろ外に出れると嬉しいのですが……
「……ごめんね、今回も」
その言葉と共に入ってくる明るいひかり。
暗いところに目が慣れていたせいでチカチカして何も見えない。
うーん、と目を擦りながら頑張って開くと苦笑いのあんずちゃんと何故か顔が真っ青な高峯くん。
まぁ仕方ないよね。浮気だって思われても仕方ない感じだし。
「別に気にしてないよ。それより高峯くん借りていい?」
「高峯くんは私のじゃないよ。けど、どうぞ」
苦笑いから一転、笑顔になったあんずちゃんが差し出してきた高峯くんの手を握って、教室から出る。
目を白黒させながらも着いてきてくれる高峯くんに内心笑みが零れる。
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作者名:蒼那 | 作成日時:2016年12月12日 3時