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目が覚めるとすぐに
ここが病院だということが分かった。
はぁ…私ったら何をやっているんだか……
「あれ…瑠衣は………」
横の丸椅子で壁に持たれかかるようにすやすや寝ている。
あぁ、迷惑かけちゃったなぁ。ごめんね、瑠衣。
起き上がろうとすると、なんだか足が重い。
視線を落とすと………
「ひゃっ……!」
私の膝上に赤いヒーローのお兄さんが寝ている…
こ、これはどういう状況!?
お兄さん、私が目覚めるまで待っててくれたのかな。
お兄さんにも迷惑をかけちゃったな…
千秋「すぅ……すぅ……」
寝息立ててる…寝不足なのかな……
あまりに気持ちよさそうに寝てるから、少し頬に触れてみる。
さらっとした茶色い髪を優しく撫でる。
わっ!私、見知らぬ男性になんてことを……
でも、この懐かしい感じは何だろう。
初対面のはずなのにどこかで会ったような___
千秋「ん……うわぁ!?す、すすすすすまん!これはっそのっ…」
起きた途端、私の膝上で寝ている状況に驚き
顔を赤らめながらあたふたしているお兄さん。
必死で言葉を探そうとしている様子___
「ふふっ、大丈夫ですよ。お兄さんが私を病院まで連れてきてくれたんですよね。弟の世話までしてもらって……ありがとうございます」
千秋「助けるのはヒーローの役目だ!どうか気にしないでほしい!…ところで、体調は大丈夫なのか?どこか痛かったりしないか?」
「はい!お兄さんのおかげで元気モリモリです☆私、柊未桜って言います。お名前、伺っても…?」
千秋「俺は守沢千秋だ!よろしく!」
よろしくお願いしますと言うと、
千秋さんは気難しそうな顔をした。
「……どうか、しました?」
千秋「いや…その…俺の名前、聞いたことないだろうか?」
守沢千秋………
私は記憶を遡るように少し考え込んだ。
確かに懐かしさを感じたのに、
いつどこで出会ったのか大事なことを思い出せない。
千秋「すまないっ!困らせてしまったな、気にしないでくれ!」
すみません、と謝ったもののどこか浮かない表情。
千秋さんは私のことを知っているの…?
どうしてそんなに悲しい顔を……
こんな表情をするってことは、
きっと私は忘れてはいけないことを忘れてしまってるんだ。
思い出したい…でも思い出せない!!!
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作者名:あねもね | 作成日時:2020年8月24日 14時