E組にやってきたフルート奏者【赤羽業】 (ページ37)

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引き続き渚said

彼女は烏間先生とビッチ先生も呼び、教卓の前に立っている。

クラスのみんなを見つめ、どこか悲しそうな嬉しそうな⋯表現するには難しい顔をしていた。

『まずは私の事⋯そして親の事を知ってもらった方がいいと思います

三村君、話してあげてください』

「えっ！？なんで俺！？」

『私はどうしても話したくないんです

覚悟は決めてきたんですけどね⋯

やっぱり無理そうなんです、お願いします』

「⋯分かった」

そして如月さんに頼まれた三村君は、ゆっくりと彼女について語り始めた。

「えっと⋯まず如月の親についてなんだけど⋯

母親は数年前まで世界でも活躍していたプロのフルート奏者の如月真理子

そして父親は色んな映像作品の主題歌や挿入歌を作曲している作曲家の貝塚誠」

どっちも人生で1度は聞いた事ある有名人だった。

「そして如月本人もすげぇ奴で記録は小学校までしか見つけられなかったんだけど、色んなコンクールで賞を受賞してた⋯

中学生になってからは母親の演奏会にゲストとして結構出演してたみたい

もちろんその技術を見込んで、海外の方からこっちに来て学ばないかって声もかけられてたこともあったみたいで⋯」

そんな凄い人がどうして椚ヶ丘中学校(ここ)に？

そしてどうしてE組なんかに⋯。

多分クラス全員がそう思っていたはずだ。

その時やっと彼女は口を開いてくれた。

『流石三村君です

全て合っています、お見事です！

きっと皆さん思ってますよね？どうしてこんな人がこんなところにいるんだ！って⋯

安心してください、全部話しますよ

三村君ありがとうございました、ここからは私が話しますね』