E組にやってきたフルート奏者【赤羽業】 (ページ32)

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30.訓練の時間ページ32

7月、殺せんせーの暗殺期限まで残り8ヶ月。

いつも通り私達は烏間先生から暗殺訓練を受けていた。

『皆さんすごいですねー

私まだ烏間先生にナイフ当てられたことありません』

「私もー」

私はというと茅野さんと2人で木陰で休んでいる。

なかなかナイフの扱いが慣れず、未だ苦戦している。

「Aちゃんはどっちかというと銃の方が上手だよね！」

『はい、最近命中率が上がってきました

ナイフは全然ダメです

最初の頃よりはマシになった方ですが⋯』

「私もまだまだ⋯頑張らないとねー」

『そうですね⋯』

「あっ見て！

渚が仕掛けようとしてる！」

見ると、潮田君が後ろから烏間先生にナイフを当てようとしていた。

『ほんとですね』

⋯が、潮田君は烏間先生に飛ばされてしまった。

「ありゃー、失敗しちゃったね」

『そうですね

結構飛ばされちゃいましたね

大丈夫でしょうか？』

「渚なら大丈夫だよーきっと

そろそろ戻ろ！」

『はい、そうですね』

「それまで！今日の体育は終了！！」

「「ありがとーございましたー」」

体育終わり、倉橋さんは烏間先生をお茶に誘っていた。

「⋯ああ誘いは嬉しいがこと後は防衛省からの連絡待ちでな」

『やっぱり断られちゃいますよね』

「⋯私生活でもスキがねーな」

「⋯っていうより⋯私達とのカベというか一定の距離を保っているような」

「厳しいけど優しくて私達のこと大切にしてくれてるけど

でもそれってやっぱり⋯ただ任務だからに過ぎないのかな」

『まぁ烏間先生も防衛省の方ですからね』

「そんな事ありません

確かにあの人は⋯先生の暗殺のために送りこまれて工作員ですが彼にもちゃんと素晴らしい教師が血が流れていますよ」

殺せんせーと話していると大量の荷物を抱えた少しぽっちゃりとした男性がやってきた。

「⋯？誰だあの人？

でけぇ〜⋯」

「やっ！俺の名前は鷹岡明！！

今日から烏間を補佐してここで働く

よろしくなE組の皆！」

その鷹岡と名乗る男が持ってきたものは高級なスイーツたちだった。

「いいんですかこんな高いの？」

「おう食え食え！俺の財布を食うつもりで遠慮なくな！！

モノで釣ってるなんて思わないでくれよ

おまえらと早く仲良くなりたいんだ

それには皆で囲んでメシ食うのが1番だろ！」

あっ、私の苦手なタイプだ。

皆には悪いけど帰ろ。

私は鷹岡のスイーツを食べないでそのまま帰ることにした。