E組にやってきたフルート奏者【赤羽業】 (ページ28)

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26.球技大会の時間ページ28

梅雨が明け、夏の暑さが本格的になりそうなある日。

杉野君と赤羽君、潮田君が誰かと喋っているのを見つけた。

『潮田君！どうしたんですか？こんなところで⋯』

「あっ、如月さん

ちょっと野球部に今⋯」

『⋯？』

よく話を聞いてみると、何やら進学校での部活との両立は選ばれた人間じゃないならしなくていい？

何言ってんだ？こいつ？

「へーえ、すごいね

まるで自分らが選ばれた人間みたいじゃん」

「うんッ、そうだよ」

『本当ですか？

大した成績も取ったことないくせによく言えますね？』

「なんだと！？」

他の部員がつかかってきたが、主将らしき奴は先程と変わらない顔で私を見てきた。

「やめとけ如月！！

うちの学校結構良い成績残してんだから！！」

『そうですか？

あんなの大した事ないと思いますけど⋯』

「そんなに気に入らないなら来週の球技大会で教えてやるよ

人の上に立つ選ばれた人間とそうでない人間、この歳で開いてしまった大きな差をな」

「クラス対抗球技大会⋯ですか

健康な心身をスポーツで養う大いに結構！

⋯ただトーナメント表にE組が無いのはどうしてです？」

そう、この学校ならではのこと。

1チーム余るという理由で本戦にはエントリーされない。

その代わり⋯

「その代わり⋯大会のシメのエキシビションに出なきゃなんない

要するに見せ物さ

全校生徒が見てる前で男子は野球部の女子は女子バスケ部の選抜メンバーと戦らされわんだ」

「なるほどいつものやつですか」

「そ

でも心配しないで殺せんせー

暗殺で基礎体力ついてるし良い試合して全校生徒を盛り下げるよ」

我らが女子はもちろん片岡さんがリーダー。

彼女なら問題なし！

問題は男子かな？

杉野君が頼れる唯一の人だけど⋯随分内気だな。

「あいつらとほとんど野球未経験のE組(おれら)じゃ勝つどころか勝負にならねー

だけどさ⋯殺せんせー

だけど勝ちたいんだ殺せんせー、善戦じゃなくて勝ちたい

好きな野球で負けたくない

野球部追い出されてE組に来て⋯むしろその思いが強くなった

⋯まぁでもやっぱ無理かな殺せんせー」

殺せんせーは野球監督のような服装になっていた⋯。

殺せんせーが男子のトレーニングをしてくれるみたい。

正直言って大丈夫かな？

でもまぁ楽しみになってきたね。