E組にやってきたフルート奏者【赤羽業】 (ページ11)

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「あれェ？

果穂じゃん

何してんだよ」

ん？あれは確か⋯

「あっ！！

せ、瀬尾くん！！」

そうだ同じクラスだった瀬尾智也だ。

よく癖の強い英語喋ってたっけ。

「生徒会の居残りじゃ⋯」

「あー

意外と早く終わってさ

ん？そいつ確か⋯」

「ち、違うの瀬尾くん

そーゆーんじゃなくて⋯」

なんか悪い空気になってきたかも

「たまたまカサが無くてあっちからさして来て⋯」

「今朝持ってたじゃん」

「が、学校に忘れて⋯」

「あーそゆ事ね

最近あんま電話しても出なかったのも急にチャリ通学から電車通学に変えたのも

で

新カレが忙しいから俺もキープしとこうと？」

「果穂おまえ⋯」

「ち、違うって

そんなんじゃない！！

そんなんじゃ⋯」

その瞬間彼女は動揺した顔から何か思い付いたのか顔色を変えた。

「あのね

自分が悪いってわかってるの？

努力不足で遠いE組に飛ばされた前原くん」

何言ってんのコイツ。

E組を理由に前原くんを悪者扱いすんの？

「それにE組の生徒は椚ヶ丘高校に進めないし

遅かれ早かれ私達接点無くなるじゃん

E組落ちてショックかなと思ってさ気遣ってハッキリ別れは言わなかったけど

言わずとも気づいて欲しかったなァー

けどE組の頭じゃわかんないか」

「はははは」

「⋯おまえなぁ

自分のこと棚に上げて⋯」

そう前原くんが言った瞬間前原くんは瀬尾智也に蹴り飛ばされていた。

「わっかんないかなぁ

同じ高校に行かないって事はさ

俺達何したって後腐れ無いんだぜ」

「オラ

ちゃんと礼言えよ果穂に」

「同じカサ入れてもらったんだからよ」

「あいつら⋯」

『私も流石に我慢の限界です』

杉野くんと一緒に前原くんを助けに行こうとしたその時だった。

「やめなさい」

前原くん達の目の前に理事長の車が止まっていた。