E組にやってきたフルート奏者【赤羽業】 (ページ1)

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プロローグページ1

「やぁ。貝塚、いや失礼。

今は如月さんだったね。忙しい中わざわざ来てくれてありがとう。

今日はどうしても君に伝えなくてはならないことがあってね。」

中間テストが終わった1週間後の事だっただろうか。私は理事長室に呼ばれた。

「私はとても残念だよ。

どうして中間テストを休んだだい？」

そう乾いた笑顔で言うこいつがこの学校、椚ヶ丘中学校の理事長である浅野學峯だ。

私の大嫌いな人の中の1人。

『理事長先生にお話するような理由はありません。

それより話ってE組落ちの話ではないんですか？

そうでなければおかしいです。私は平気なので早くお話を済ませてください。』

私は同じような乾いた笑顔で理事長に言った。

「あぁ、そうだね。結論から言えば、君は明日からE組に行ってもらう。

でも私は君の才能を信じている。

いつでもこちらに戻って来るがいい。

期待しているよ。」

『私は戻って来ないと思います。

理事長先生が仰るような才能など私にはありませんから。』

「そうかな。君が中間テストを休んだ理由はその才能が関係していると思っていたのだが見当違いだったようだ。」

なんだよ、こいつ。

全部知ってるんじゃないか。

こういうわざとらしいところも心底嫌いだ。

『さぁ、どうでしょうね？

私はこれで失礼します。』

私はこれからE組。

もう後戻りはできないか。