89．スピーチ ページ6
「E組は待遇も悪いし、不便だし、全校の笑いものにされる
みなさんは、いいことなんか何もないって思うでしょう」
静かな体育館に、マイクを通した私の声だけが響く
整列するE組のみんなはさっきの私の仕草に何かを感じ取ったのか
ただ黙って、固唾を呑んで続きを待った
「ーーーでも私は、E組が好きなんです」
さっきのように微笑みながら言うと再び体育館は喧騒に包まれた
「･･･あたしは２年生のとき、そのときの担任に“クズ”って言われた
正論だよ、その通りだと思う」
いつもの調子で喋り出すと、E組からは笑顔が見え始めた
「でも、そんなクズでも、E組はあたしのことを受け入れてくれた
こんなにひねくれてるあたしと向き合おうとしてくれたのが嬉しかった
･･･だからせめて、E組のみんなの前では誠実でいようと思う」
その時、ステージ脇に居た生徒会役員が止めようと近づいてきた。
荒「いい加減にしろ宮下！」
瀬「学校のクズのくせに･･･！」
即刻、私は「学校のクズ」と言った瀬尾を睨んだ
瀬尾は「ヒッ」と小さく悲鳴を上げる。
「あたしは確かにクズだ！
だけど、信じてくれた人を平気で裏切るような奴は、もっとクズだ！！」
私は制服のポケットから、1枚の書類を取り出した
「これ。あたしの、A組に行く手続きのための正式な書類。
さっき理事長室からくすねちゃった☆」
浅「な･･･！？」
「これを、こうして、こう！」
壇上で、その紙切れを真っ二つに破り
どんどん細かく裂いていく
「あはは、こんなゴミクズに何の意味があるんだろーね」
拳を下に向けて開くと
紙くずになった書類がゆっくりと空気抵抗を受けて落ちていく
「E組を蔑むことが条件っていうならあたしはA組には絶対行かない
優しくしてくれたみんなに酷いこと言うくらいなら、こんな学校出てった方がマシだ
気に入らねえなら、転校でも何でもしてやる。以上」
私はステージを離れた。
冷静になって考えると
･･･あのスピーチは、やっちゃったなあ。
多分転校は間違いないだろう
それでも構わない。
後悔はしていない。
「あー、すっきりしたー！！」
外の自販機で苺煮オレを買ってストローをさしながら
ひとり大きく息をついた。
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ヨル(プロフ) - お父さんとの流れで泣いちゃいました！！これからも頑張ってください！ (2018年2月6日 23時) (
レス) id: 69f5610e67 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた - 続き楽しみにしてます！これからも頑張って下さい！！ (2018年1月25日 17時) (レス) id: 0b9483743a (このIDを非表示/違反報告)
斉藤佳愛(プロフ) - カルマも好きだけど、学秀だいっすきです！！学秀との絡み（ちょっといちゃいちゃとか）いれてほしいです！！がんばれ！ (2018年1月8日 15時) (レス) id: 345e4936bc (このIDを非表示/違反報告)
ライト - 更新頑張ってください！！ (2017年12月16日 12時) (レス) id: f9149646f9 (このIDを非表示/違反報告)
りょう - 久しぶりの更新うれぴいぃぃいいぃぃぃいい！！やっぱ好きです、好き((忙しいかと思いますが、気長に待ってるん！わいしぃさんのペースで無理せず頑張ってくださi (2017年11月24日 17時) (レス) id: 6d9b7e2028 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わいしぃ | 作成日時：2017年11月5日 2時
