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ーーあれからも、連絡は続いていた。
でも、1度も会えてなかった。
オフィスに来なくなった貴女が心配で福良さんに聞いてみると、しばらくは家で仕事をするらしいと言われた。
それを心配する旨の連絡をすると、こう返ってきた。
A心配してくれてありがとう。
Aでも、何かあったら何でも頼っていいからね。乾くんは私の可愛い後輩なんだから。
可愛い後輩、か。
そんな分かりやすい言葉で距離とって……。
「それは、年下は傷つくんだよ……!!」
遠回しに行って無理なら、直接言うしかない。
99%無理でも、残り1%の可能性にかけて。
乾今すぐ会いたい
既読がついてすぐに家を飛び出す。
時計の針は既に午後7時を回っている。
街はイルミネーションで煌々と輝いていた。
貴女との家の中間地点に位置する歩道橋。
走っていくと、俺と同じように貴女も息を切らして立っていた。
「っ好きです。これ、受け取ってください!!」
周りの目なんて気にしてられないくらいに必死に、まっすぐに告白をした。
「……もっと早く言ってよね。」
顔を上げると、あの時と同じような悲しい笑顔。
「付き合ってる人がいるの。……ごめんね。」
貴女は踵を返して帰っていく。
俺は、追いかけることは出来なかった。
ぽつぽつと降り出した雨はだんだん強くなり、俺も、プレゼントも、びしょ濡れになっていった。
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某シロクマとパンダが出てくる曲を元に書きました。
1回こういうのやってみたかったんですけど、めちゃめちゃ難しいですね。
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辰海恋歌(プロフ) - あすさん» 早速読んでいただきありがとうございます。この後どうなるかも一応考えてはいますが、次回の短編集のテーマとは少し合わないと思うのですぐに公開、という訳ではありませんが、必ずあす様の目に留まる形に致しますのでしばらくお待ちください。よろしくお願いします。 (2021年11月5日 0時) (レス) id: e014f887e2 (このIDを非表示/違反報告)
あす(プロフ) - 辰海恋歌さん» 早速続き拝見しました!fkrさんが詰め寄る感じいいですね!続編?半年後fkrさんとどうなっているのか気になります! (2021年11月4日 22時) (レス) id: 14b7e1c0b8 (このIDを非表示/違反報告)
辰海恋歌(プロフ) - あすさん» こんばんは!そういって頂けてとても嬉しいです!最後まで気に入って頂けますと幸いです。 (2021年11月4日 20時) (レス) id: e014f887e2 (このIDを非表示/違反報告)
あす(プロフ) - こんばんは!結ばれる悲劇、終わらない悲劇を読んで切なくもありますがとても気に入りました!続きが気になります… (2021年11月3日 22時) (レス) id: 14b7e1c0b8 (このIDを非表示/違反報告)
辰海恋歌(プロフ) - あすさん» いえいえ!気に入っていただけて良かったです!! (2021年7月17日 23時) (レス) id: e014f887e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:辰海恋歌 | 作成日時:2021年5月19日 16時