4 初見と所感 ページ4
「サッカー部、ですか」
実のところ、申し訳けれどサッカーよりも野球の方が熱い。それでも、もう他所に行くのも面倒だなあと心の内に思い、ついてこいと言わんばかりに振り返った彼の背中に恐る恐るついていった。
ボールを蹴る鈍い音が一際大きくなる。
「一年、連れてきたで」
金髪の男はどこかに向かってそう言うと、此方に目を向けることもなく、すぐにボールを蹴って練習の列に戻っていった。
直後、足音を立て三人の先輩らしき女性がやってきて、ぐるりと取り囲まれる。
「一年生！来てくれてありがとう…！」
「これで安心だ……」
それは心から安堵したような声で、そんなにこの部活は人気が無いのだろうかと少しだけ憐憫の情が生まれる。
「名前は！？」
Aです、とその勢いに気圧されつつも呟くと、Aちゃんね、と名前は覚えたぞと言わんばかりに復唱される。
「驚かせてごめんね。実はサカマネ、二年生がいなくて」
「三年は夏には引退するから、このままだとゼロで」
なるほど、そういう訳か。
でも名の知れた強豪の部活なら、サカマネも人気になりそうなものだとふと疑問に思う。
それも見学したら分かるだろうか。
練習する様子を先輩達の隣で眺めていると、つい先程の金髪の男に視線を向けてしまう。積極的に声を掛けたり先頭を切って体を動かしている彼は、意識せずとも勝手に視界に飛び込んできた。
そういえば、クラスの女の子がサッカー部にかっこいいと有名な先輩がいると噂していたが、あの人なのだろうか。様々な疑問が、次から次へと湧いてくる。
「……五分休憩！」
一段と大きなその声に返事をした部員達は、一斉に校舎横の荷物置き場に向かっていく。
「Aちゃん、ちょっと待っててね」
三人のマネージャーさんは急いでタオルやボトルを手にし、疲れた表情の彼らの所へ走っていった。慌ただしく動き回る彼女達に、これは大変そうだぞと小さく息を飲む。
休憩中、多くの部員がだらりとへたり込む中、隅の方から大きな笑い声が聞こえた。気になって様子を伺うと、目に入ったのは、ボトルを手にしながら明るい笑みを浮かべている金髪の彼だった。疲れを一ミリも滲ませないその声は、周囲の部員にも伝染し、良い影響を与えているようにも見えた。
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ぴざる2号(プロフ) - 泣いた…好き… (2021年4月2日 8時) (
レス) id: fa56edbecd (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - 『夢小説』やなくて『小説』読んでるみたいな感じになるし、ストーリーは面白いし、作者さんええ人やし…この小説の大ファンになりました（単純） (2019年10月30日 15時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
aaaa(プロフ) - もうなんか今のこのもどかしさが喉の奥に詰まって泣きそうなくらいにこの作品好きです。応援してます。 (2019年8月7日 0時) (レス) id: 6511620324 (このIDを非表示/違反報告)
Souha - ｷｬｰknサンｲｹﾒｰﾝ((( 内容と作者様の書き方が好きです。！もう…なんかやばすぎました。 あと、更新頑張って下さい！もうこれは全裸待機ですね！！ (2019年7月18日 21時) (レス) id: 60f9fe5ef6 (このIDを非表示/違反報告)
usikosan(プロフ) - しゅきやわ (2019年6月8日 14時) (レス) id: a7c2ae121f (このIDを非表示/違反報告)
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