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練習中の真剣な表情とのギャップに呆然としていると、仕事を終えたであろう一人のマネージャーさんがなんだか曖昧な笑みで隣に並んだ。
「あの人がキャプテン兼部長。って有名だから知ってるか」
「……いいえ。大阪には引っ越してきたばかりで、この学校の事も実はまだ全然知らなくて」
すると先輩は少しだけ目を見開いた。そして、覚悟を決めたように小さく息を吸うと、ぽつりぽつりと話し始めた。
「そっか。……何で二年生がいないかって言うとね、前まではいたんだよ、五人も」
話を聞いた限りは、どうやらこういうことらしい。五人いたマネージャーは、所謂そのキャプテン目当てで入部。仕事はできない、遊んでばかりのその五人に、嫌気がさした彼は、ついにとある日、厳しい言葉で彼女らを責めたそう。プライドの高い彼女達は、すぐに全員退部届を提出したそうだ。
「その子達をちゃんと見てなかった私達が悪いんだけどね。それが変に誤解されて悪い噂として広まっちゃって、一年は誰も入らないだろうって言われてたの」
「なるほど。だからあんなに」
……必死だったんですか。
そう言うと、目を伏せて頷くマネージャーさん。
「恥ずかしいけど、本当にピンチで。でも、まさかあいつが連れてくるとは思わなかった」
そう言って、休憩が終わり再びグラウンドに真っ先に駆けていく彼を見やる。
「Aちゃん、良かったら明日も来てね」
はっきりとはい、行きますとは言えなかった。そんなサッカー部に生半可な気持ちでマネとして入ったら、私も顔目当てで入部したんだと後ろ指を指されると思ったし、何より申し訳ないがサッカーにそこまでの熱を持っていない。
先輩が二年のマネージャーの件を話してくれたのは、恐らく私がその事を知らないまま入部するのは良くないと考えた上での気遣いなのだろう。それは素直に嬉しかったが、逆に悩ませる種にもなった。
とりあえず、今日はありがとうございましたと挨拶をして、まだ明るい時間に帰路に着く。
「サカマネ、か」
どうしようかなと思案を巡らしながら歩いていると、あっという間に家に着いた。ガチャリと新居のドアを開けただいまと呟くと、奥から間延びした声でおかえりと帰ってくる。
「どうだった？初日は」
「サカマネ、ねえ……」
リビングに入りソファに倒れこむ。サカマネという言葉に驚いた表情の母を視界の端に捉えた。
「何やってもいいけど、とりあえず制服は脱ぎなさい」
……そういう所は抜け目ないな。
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ぴざる2号(プロフ) - 泣いた…好き… (2021年4月2日 8時) (
レス) id: fa56edbecd (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - 『夢小説』やなくて『小説』読んでるみたいな感じになるし、ストーリーは面白いし、作者さんええ人やし…この小説の大ファンになりました（単純） (2019年10月30日 15時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
aaaa(プロフ) - もうなんか今のこのもどかしさが喉の奥に詰まって泣きそうなくらいにこの作品好きです。応援してます。 (2019年8月7日 0時) (レス) id: 6511620324 (このIDを非表示/違反報告)
Souha - ｷｬｰknサンｲｹﾒｰﾝ((( 内容と作者様の書き方が好きです。！もう…なんかやばすぎました。 あと、更新頑張って下さい！もうこれは全裸待機ですね！！ (2019年7月18日 21時) (レス) id: 60f9fe5ef6 (このIDを非表示/違反報告)
usikosan(プロフ) - しゅきやわ (2019年6月8日 14時) (レス) id: a7c2ae121f (このIDを非表示/違反報告)
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