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「ハレムって……Aさん、そうなんですか？」
「はい。まだ入ったばかりの新人ですが」
そう答えると悩ましげに目を瞑るトントン様。私がミルザさんとエーミールさんに言われたのは夜確実にトントン様を寝かせると言うこと。夜の相手をしろと言われたわけでは無いが、そういう事なのだろうか。大先生を見ても肩をすくめて笑顔を見せるだけだった。
「……俺は、そういうのはええから」
「分かりました。でもヴァレットとして、就寝までは付き添わせて頂きます」
なぜか申し訳無さそうに此方を見るトントン様。そういうの、とは夜の相手の事だろう。確かに仕事も忙しいのにそんな事をしている場合では無いのかもしれない。だとすれば、彼はどこでそういったものを発散しているのだろう。また大先生に聞いてみよう。
話が一段落した所で大先生はフラフラと部屋を出ていった。気付けば時計は十時の少し前を指していた。執務室備え付けの小さなキッチンを借りて、コーヒーを入れる。砂糖は入れずにミルクを入れれば少しだけコーヒーの色が柔らかくなった。入れたばかりのコーヒーカップの取っ手を持つとその熱さに思わず手を引っ込める。
「……このまま持っていっても熱すぎてすぐ飲めない」
少し冷ましたコーヒーをトントン様の所に運ぶ。
「トントン様。コーヒーをお持ち致しました」
予想通り彼はすぐにカップに腕を伸ばし一口飲んだ。すると何かに気づいた様子で目をパチパチと瞬かせる。
「……もしかしてやけど、すぐ飲める様にしてくれました？」
「熱い方がお好みでしたでしょうか……」
恐る恐る尋ねたが、返ってきた答えについホッとする。
「……いや、猫舌やねん。ありがとうございます」
初めて見た笑顔に、心が温かくなる。
「Aさん、今からこれ他のメンバーに届けに行くんやけど一緒に行きますか？」
数枚の書類をひらひらさせて立ち上がるトントン様。私やりますよ、と言おうとしたがチラリと見えた丸秘の文字に言葉を噤む。
「ご一緒させて頂きます」
まだ見ぬミフターフメンバーに期待を寄せ、トントン様の後ろについて歩き始めた。
最初についたのは民政担当が集まる部屋。確かロボロとひとらんさん、エーミールさんは民政を担当していたはず。他にもいるのだろうか。
「入るでー」
無造作に朱色の扉を開くトントン様。中には四つのテーブルとローテーブル、そしてソファが置いてあった。
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あん(プロフ) - RUIさん» RUIさんはじめまして、素敵なコメントをありがとうございます。そのように仰って頂けて大変光栄です…！再び読んでくださったなんて本当に嬉しいお言葉です。ありがとうございます。引き続きパート3も楽しんでいただけたらと思います…！ (2019年8月21日 20時) (
レス) id: 2a14f29560 (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - 修正前から拝見しておりました。この作品は私が出会った中で1番印象的で大好きな作品です。少しの間占ツクを離れていて最後に読んだのは半年ほど前でしたがほとんどの内容を知っかりと覚えていました。続きが公開されるのを今か今かと待っています笑大好きです！ (2019年8月19日 0時) (レス) id: 58d14c974b (このIDを非表示/違反報告)
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