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「熱、あるやろ。薬あげるから飲み」
以前自分も体調を崩していた。その時の余りがあったと思い棚を開く。予想通り錠剤があったので水とともに渡す。
「……すみません」
彼女はそれから謝罪の言葉を口にするだけだった。勿論それは僕に向けてでもあるし、恐らく彼女自身、それからアイツに向けてでもあるのだろう。
「……今回は自分でなんとかします。ごめんなさい、大先生」
本音を言うならもっと頼って欲しい。さっき一瞬彼女に流されそうになった事実は消せはしない。
自分の中の黒い感情が何かなんてとっくの昔に分かっていた。
それでも今は全然ええよ、としか返事ができなかった。
_____
また少しパーティーに近づいた。時の流れは早い。相変わらずコネシマさんとは仕事以外で言葉を交わしていない。自分の中の何ががそれを妨げていた。
それでも仕事は仕事である。日が近付くにつれ、軍政担当の部屋を行き来することも多くなった。それは今日も同じである。
「当日の軍兵の移動スケジュールをもう少し早めてくれとの事です。変更お願いします」
「……了解」
「Aさん、最近ずっとコネシマさん機嫌悪いんすよ、なんか知りません？」
「……すいません、急ぐので失礼します」
そそくさと部屋を退散する。ショッピさんには悪い事をしてしまった。でもいざ彼の前に立つと言葉が出てこなかった。
___
Aが部屋を出て行った直後。ショッピはコネシマに声を掛ける。
「いつまでもその状態じゃ困るんすけど。何があったんですか」
「別に」
不貞腐れたコネシマの態度にショッピは溜息をつきながら煙草を取り出す。
「さっきも一切目合わせてないし。どうせアンタが何か言ったんでしょ」
その言葉にコネシマはギロリとショッピを睨んだ。あ、図星やと呟いたショッピは上の空で煙草を口にする。
「……子供じゃないんすから。そのままだと俺がAさん貰ってきますよ」
歳も近いしええやろ、と付け加えたショッピにコネシマは何も言わなかった。
しかし、ショッピが一本の煙草を吸い終わったところで小さく呟いた。
「……その方が、ええかもな」
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あん(プロフ) - RUIさん» RUIさんはじめまして、素敵なコメントをありがとうございます。そのように仰って頂けて大変光栄です…！再び読んでくださったなんて本当に嬉しいお言葉です。ありがとうございます。引き続きパート3も楽しんでいただけたらと思います…！ (2019年8月21日 20時) (
レス) id: 2a14f29560 (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - 修正前から拝見しておりました。この作品は私が出会った中で1番印象的で大好きな作品です。少しの間占ツクを離れていて最後に読んだのは半年ほど前でしたがほとんどの内容を知っかりと覚えていました。続きが公開されるのを今か今かと待っています笑大好きです！ (2019年8月19日 0時) (レス) id: 58d14c974b (このIDを非表示/違反報告)
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