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廊下を走っていると目の前には驚いた顔の大先生。
「Aちゃん顔色めっちゃ悪いで、大丈夫？」
走っていた勢いを止められず、ふらふらと大先生に倒れ込む。
「えっちょっと待って、身体めっちゃ熱いやん。待っとってな、シッマ呼んでくるわ」
彼の部屋の方向に走ろうとする大先生の袖を掴む。
「嫌…！やめて、下さい」
その言葉に大先生は混乱した様子で此方を見つめた。
「何があったか分からんけど……とりあえず僕の部屋行こか」
ふらふらの体を支えられ、大先生の部屋に入った。
______
呼吸が荒いAちゃんをソファに座らせて、自分もその隣に腰を下ろす。どうも彼女の様子がおかしい。
「何があったか、話せる？」
そんな彼女を放っておける筈もなく、背中に手を添える。すると彼女は一瞬此方に目をやるとあろうことか僕に手を回した。
「Aちゃん、」
腕を離そうとしない彼女に水色の瞳の顔が思い浮かびつつ、自分も腕を回す。罪悪感が空っぽな心を苛む。こんな状況でも自分の真っ黒な感情が現れ脳を支配する。
少し呼吸が収まったであろう彼女はそれでも腕を離そうとしなかった。
そんな目で僕を見つめないで欲しい。熱っぽい彼女の視線が自分を捉えて離さない。少しずつ彼女の顔が此方に近付いてくる。何をしようとしてるかなんてそんなのは直ぐに分かる。
やめろ、やめてくれ。
咄嗟に身体が反応した。彼女の唇に手を置く。指に口紅が付こうがどうでもいい。
「……Aちゃん、それはあかんよ」
「……どうせハレムの女ですよ」
そう吐き捨てた彼女。いつもの穏やかさは皆無で刺々しい。やはりどこか様子がおかしい。
「何があったんか知らんけど、きっと後で後悔するで」
その言葉に一瞬怯んだが、彼女は自分の胸元に再び顔を押し付け小さく呟いた。
「……大先生を、好きになったら良かった、なんて……」
「Aちゃん、それは流石に僕でも怒るで」
彼女の肩を押しながら自分でも驚くほど低い声が出た。頭には水色のアイツの顔が浮かんでいた。
「確かにAちゃんは大事やし、話も聞いてあげたい。けどそれ以上に……アイツは俺の友達やねん」
傷付けるような事はしたくなかった。
震える口元から息を吐き出すと、彼女は大人しく腕を下ろした。
「……すみません。どうか、してました」
冷静さを取り戻したのか、彼女は自らの両の手を握り下を向いた。
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あん(プロフ) - RUIさん» RUIさんはじめまして、素敵なコメントをありがとうございます。そのように仰って頂けて大変光栄です…！再び読んでくださったなんて本当に嬉しいお言葉です。ありがとうございます。引き続きパート3も楽しんでいただけたらと思います…！ (2019年8月21日 20時) (
レス) id: 2a14f29560 (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - 修正前から拝見しておりました。この作品は私が出会った中で1番印象的で大好きな作品です。少しの間占ツクを離れていて最後に読んだのは半年ほど前でしたがほとんどの内容を知っかりと覚えていました。続きが公開されるのを今か今かと待っています笑大好きです！ (2019年8月19日 0時) (レス) id: 58d14c974b (このIDを非表示/違反報告)
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