85 パーティーの目玉 ページ35
後はいい感じの物を組み合わせれば、割と色鮮やかな朝ご飯ができた。トントンさんも喜んでくれたようで、毎日食べたいとまで言って下さった。食後の紅茶も入れ終わったところで一息ついていると、トントンさんは椅子を引いてここと目配せをした。恐る恐る座るとエーミールさんから声が掛けられる。
「Aさん、紅茶淹れるの上手ですね」
「そんな！エーミールさんには負けますよ」
世間話をしつつ、束の間の一時を楽しんだ。
____
会議までの時間はいつも通り、執務室での書類整理で特に言うこともない。あっという間に時間は過ぎてトントンさんと共に部屋を移動する。
午前十時。小会議室に集まったのはトントンさんとロボロ、エーミールさん、そしてミルザさんと私。こんな所にいても良いのかと思うがどうやら私にも何か仕事があるらしい。
「それでは、次のイスファムで催されるパーティーについての会議を始めたいと思います」
ミルザさんの一言で始まった小会議室での会議。今回はロボロが代表者となって諸々を決めていくようだ。
「まず、各国ガリア経由でここに来るからその出迎えと警護に相当人手がいる。まあ、それはコネさんとショッピ君に頼んで軍兵を動員するとして」
基本的な事は、前回この国で開かれたパーティーを踏襲すればいいらしくそれについて特に言うこともなかったようだ。
「問題は、夜の食事の時の催し物。いつもはハレムのベテランさんが舞を踊ってたんやけど、生憎昨年退職しはったんで……」
そこで、とロボロは此方を向いた。
「Aに踊ってもらう、ってどうでしょうかね」
開いた口が塞がらないとはまさにこの事で。自分がどんな顔をしているかもわからないほど、頭が真っ白になる。
「確かにAさんはハレムの女である以上は踊れると思いますけど……ちょっと荷が重いんとちゃいます？」
トントンさんは心配そうに口を開いた。
「私は賛成。ハレムのオーディションでここ数年で一番目を引いたのは彼女よ。素晴らしい逸材だと思うわ」
ミルザさんはこちらを向くと優しく微笑んだ。それを見たエーミールさんも口を開く。
「私は見た事ないので分かりませんけど……若さ溢れるAさんが踊る事で、恒常化しているこのパーティーにも新しい風を吹かせられるかもしれませんね」
エーミールさんまで。
私が国の代表として踊る？
考えるだけでくらくらとして頭が痛くなってきた。
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あん(プロフ) - RUIさん» RUIさんはじめまして、素敵なコメントをありがとうございます。そのように仰って頂けて大変光栄です…！再び読んでくださったなんて本当に嬉しいお言葉です。ありがとうございます。引き続きパート3も楽しんでいただけたらと思います…！ (2019年8月21日 20時) (
レス) id: 2a14f29560 (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - 修正前から拝見しておりました。この作品は私が出会った中で1番印象的で大好きな作品です。少しの間占ツクを離れていて最後に読んだのは半年ほど前でしたがほとんどの内容を知っかりと覚えていました。続きが公開されるのを今か今かと待っています笑大好きです！ (2019年8月19日 0時) (レス) id: 58d14c974b (このIDを非表示/違反報告)
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