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小さくノックをしてトントンさんの私室に入る。本当は朝起こすのもヴァレットの仕事なのだが、トントンさんは私が部屋に入る頃には既に目を覚まして朝の準備を大方終えている。短めの黒髪はワックスできちんと撫で付けられ、眼鏡には指紋一つ付いていない。
「おはようさん」
「おはようございます。今日は十時からロボロさんと次に開催されるパーティーについての会議があります」
「周りの国の偉い人らがここに集まるから、暫くまた忙しくなりそうやな」
「そうですね。くれぐれも無理はしないで下さい」
トントンさんは困ったように笑う。
パーティーとはこの辺の国の大使や首相が集まり、親睦を深める年に一度の大きな集まりである。開催国は毎回変わるのだが、今年はこの国イスファムの様だ。この宴では豪華な食事が振る舞われ、その土地由来のおもてなしをするのが通例である。そこで祭祀担当のロボロの出番というわけだ。
「今日の朝食はどうされますか？」
「Aさん作って貰ってもええですか？この時間ならミフターフ用のキッチン空いてると思いますし」
ミフターフの朝食は基本自由。自分で作る人もいれば、買った物で済ませる人もいる。トントンさんはいつもは作っていたのだが、今日はどうやら気分が違うらしい。因みにヴァレットである私は既に済ませてある。
部屋に入ると、エーミールさんがただ一人優雅に紅茶を口にしていた。こちらに気付くと音を立てずにカップを置き少しだけ口角を上げた。
「おはようございます」
「トントンさん、それにAさん。おはようございます」
この食堂にミフターフ以外の人物が入る事はあまりないので、恐縮しながらもキッチンを借りる。
流石ミフターフ専用とあって、食べ物のストックは豊富だ。中には誰が食べるのだろうという珍味も置いてあり、とても興味深い。そんな中からまだ蓋が開いていない瓶を見つけた。外国の言葉は読めないが、その紫色はどうやらブルーベリーのジャムのようだ。これはいいと思い少しだけ味見という名の毒味。スプーンに乗せて口に運べば、甘酸っぱさが口いっぱいに広がった。特に妙な後味もしなかったので、これをトーストと合わせよう。こうして手早くトントンさん用の朝食を作った。
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あん(プロフ) - RUIさん» RUIさんはじめまして、素敵なコメントをありがとうございます。そのように仰って頂けて大変光栄です…！再び読んでくださったなんて本当に嬉しいお言葉です。ありがとうございます。引き続きパート3も楽しんでいただけたらと思います…！ (2019年8月21日 20時) (
レス) id: 2a14f29560 (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - 修正前から拝見しておりました。この作品は私が出会った中で1番印象的で大好きな作品です。少しの間占ツクを離れていて最後に読んだのは半年ほど前でしたがほとんどの内容を知っかりと覚えていました。続きが公開されるのを今か今かと待っています笑大好きです！ (2019年8月19日 0時) (レス) id: 58d14c974b (このIDを非表示/違反報告)
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