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閉店間際で申し訳ないと思いながら足を踏み入れたのは、ガラス細工を主とする雑貨屋さんだ。手作りのガラスの容器に観光客向けや、プレゼント用に香水が入っていたりと色々な商品を扱っているらしい。店にいたのは店主と思われる白髪交じりの老婆だけであった。
「お兄ちゃん、探し物かい？」
少し嗄れた優しい声であった。
「ちょっとしたプレゼントを」
少し話をすると、女性向けの棚に案内してくれた。赤やピンクなど派手なガラス細工が薄暗い店内でもキラキラと光る。
「ここの贈り物の定番は香水だよ」
香水か。数個匂いを嗅いで見るが加工された強烈な香りに、ピンとくるものはない。すると沢山のガラス瓶が羅列してある端に、何個か香水とは違う小さな入れ物を見つけた。
「すんません。これは？」
「あぁそれはね、ハンドクリーム。知る人ぞ知る人気の商品さ」
ニヤリと老婆は笑った。ふとご飯を食べた後食器を洗っていたAの様子を思い出す。水を止めた後、手を眺めて顔を歪めていた。申し訳ない事をしたと思った。
「実は私の息子が考えた商品でね。この国のミントを使った自然な香り。手への効果も抜群さ」
直感でこれだと思った。どんなに作られた香りよりも、爽やかなこれの方が合う気がした。
「これで。えっと、ここにあるやつは中身一緒ですか？」
「そう。好きな入れ物を選びな」
真っ先に目に飛び込んだのは水色の丸い入れ物。ミフターフにはパーソナルカラーと呼ばれるものが存在する。それがピアスの色だったり、バッジの色だったり。因みに自分は水色。自分でも気に入っているし、何となくしっくりくる。手に取ったそれを店主は丁寧に小さな箱に入れてくれた。
「ありがとうございます」
「貴方が真剣に悩んでいた時の顔、お相手に見せてあげたいわ。とても男前よ。それに比べうちの息子は」
ふふふと笑ったお婆さんは、若く見えたなんて言ったら失礼だろう。
そして今日の朝。いつもより早く黒い扉を開けると青い顔をした大先生がいた。
「あれ大先生珍しいやん」
「トン氏に追加仕事頼まれてな……直ぐこのプリント持ってかな」
そうだ、と昨日買った小さな箱を大先生に差し出す。
「これトントンに渡しといてくれへん？Aにあげてって」
「ええけど、コネシマさん直接渡せばええやん」
「バレるし、それに中々会わへんから」
大先生は溜息をつきつつ渋々受け取ってくれた。
「因みに中身は？」
「言わん」
割れ物注意、と言い残し部屋を出た。
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あん(プロフ) - RUIさん» RUIさんはじめまして、素敵なコメントをありがとうございます。そのように仰って頂けて大変光栄です…！再び読んでくださったなんて本当に嬉しいお言葉です。ありがとうございます。引き続きパート3も楽しんでいただけたらと思います…！ (2019年8月21日 20時) (
レス) id: 2a14f29560 (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - 修正前から拝見しておりました。この作品は私が出会った中で1番印象的で大好きな作品です。少しの間占ツクを離れていて最後に読んだのは半年ほど前でしたがほとんどの内容を知っかりと覚えていました。続きが公開されるのを今か今かと待っています笑大好きです！ (2019年8月19日 0時) (レス) id: 58d14c974b (このIDを非表示/違反報告)
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