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「これは失礼。実は、ロボロが小さい時からよく名前を聞いていたんだ。妹みたいに可愛がっていると聞いてね」
まさか知られているとは思わなかった。その事実に固まっていると目を細めながら目の前の男性は口を開いた。
「一度だけ、君が舞を踊るのをこっそり見た事があるんだ。……素晴らしい舞だったよ。うちのお嫁さんにしたいくらい」
ふふと目を細めて上品に笑う。舞の由緒ある家の方にそんなことを言われて嬉しくない訳がない。思わず口角が上がる。
「……そんな。全てロボロ様が教えてくれたからですよ」
話は穏やかに進んだ。ここの孤児院は最近は問題なく暮らせるようになった。ロボロ家の提携に再び本腰が入れられたことと、私も微力ながらお金をつくることができているからだ。盗賊が再び現れることさえ無ければ、現状は維持していける見通しが立った。
シャオロンさん自体の孤児院事業は前々から進んでいたらしく、今日はその後ろ盾をロボロ家に頼みにきたのだった。無事に了承を得ることができ、大きな家を後にした。
「Aちゃんは、夢とかあるの？」
次の孤児院に向かう途中、唐突にシャオロンさんから声がかけられる。そうですね、と少しだけ頭を巡らす。夢という言葉の響きは、どこか煌めきがありそして心が躍ると思う。
「孤児院の必要が無くなる事が一番良いんですけど……全ての子供達が安心して暮らせるような、そんな日常になったら、良いなと思います」
大きい事を言いすぎましたかね？とシャオロンさんの方を向くと、彼はどうやら驚いた様子で此方を見つめていた。たかがメイド風情がこんな事を言ってしまっていいのだろうかと後から心配になる。恐る恐るシャオロンさんの顔を伺うが、いつも通りの飄々とした顔をしていた。
「……へえ、なんか意外やな」
思ったより興味も無かったようだ。ザッザッと砂を蹴る音だけが二人の間に流れる。二つ目の孤児院が見えてきた所で、シャオロンさんが足を止めて梔子の瞳で此方を向いた。
「その夢、俺も叶えたいわ」
今迄見た事がないような穏やかな笑顔だった。砂交じりの風が前髪を揺らす。失礼ながら、普段は派手な服装をして調子の良いことばかり言っているイメージであったが、実はそれだけでは無いのかもしれない。
シャオロンさんの事をもう少し知りたいと思った。
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あん(プロフ) - RUIさん» RUIさんはじめまして、素敵なコメントをありがとうございます。そのように仰って頂けて大変光栄です…！再び読んでくださったなんて本当に嬉しいお言葉です。ありがとうございます。引き続きパート3も楽しんでいただけたらと思います…！ (2019年8月21日 20時) (
レス) id: 2a14f29560 (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - 修正前から拝見しておりました。この作品は私が出会った中で1番印象的で大好きな作品です。少しの間占ツクを離れていて最後に読んだのは半年ほど前でしたがほとんどの内容を知っかりと覚えていました。続きが公開されるのを今か今かと待っています笑大好きです！ (2019年8月19日 0時) (レス) id: 58d14c974b (このIDを非表示/違反報告)
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