72 穏やかな休日 ページ22
二人で冷たくて甘いジュースを飲んで喉を潤す。渇いていた喉に一滴一滴が沁みる。ごくごくとカップ一杯を一気に飲み干した。
「今からどうする？」
「コネシマさんは？」
うーんと悩む彼。欲を言えば外には出ずにこのまま部屋にいたい。それに、もし外に出たら他の人にバレてしまうだろう。
「部屋でゆっくりしたいわ」
「私もです。……あれ、何ですか？」
視界に入ったのは黒い画面のようなもの。反射して部屋の中の様子が映っている。
「あぁあれな、ガリアで流行ってるやつ。映画とか見れるで」
「見たいです、映画」
やはりガリアはIT産業が盛んなだけある。だからこそ祭祀事業の復活などに力を入れている。ロボロも帰ってくるのには時間がかかるだろう。黒い画面をみて考える。恥ずかしながら映画というものを見たことがなかった私は非常に興味が湧いた。コネシマさんはそか、と言うと早速準備を始める。ソファに座ってローテーブルを挟み黒い画面。映ったのは星が流れている宇宙。
「……凄い」
思わず口にした言葉にコネシマさんは得意げに笑った。
「せや、A、俺目悪いからもっと近づいてもええか」
了承すればローテーブルを横に動かしスペースを作った。俺だけ前に出るのもあれやから、と腕を引かれ二人でふわふわとしたラグの上に座る。隣に座るのかと思えば、彼の前に座らされる。私が三角座りして、彼がその後ろを覆う形だ。いつかの一緒に入ったお風呂の記憶が蘇る。
それでも始まってから、コネシマさんの事などすっかりと忘れ私は食い入るように画面を見た。広がる暗闇に浮き上がる星達。主人公と思われる女の子が未だ見ぬ地球の外の世界を見に行くファンタジー。ストーリーも素敵だが、何より画面が動くことが驚きだった。
しかし彼は眠いのか、それとも飽きてきたのか分からないが、もぞもぞと動いたり私の髪の毛を触ったりと、どうやら落ち着きがない。髪の隙間から指が首に触れればくすぐったさに身体を捻らせる。
「……頸ってなんか興奮するよな」
小さく呟かれた声には聞こえないふりをして、宇宙の広がる画面に集中する。
「Aー…」
彼が私の肩に顔を埋める。明るい黄色の短髪の髪が当たって、少し擽ったい。
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あん(プロフ) - RUIさん» RUIさんはじめまして、素敵なコメントをありがとうございます。そのように仰って頂けて大変光栄です…！再び読んでくださったなんて本当に嬉しいお言葉です。ありがとうございます。引き続きパート3も楽しんでいただけたらと思います…！ (2019年8月21日 20時) (
レス) id: 2a14f29560 (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - 修正前から拝見しておりました。この作品は私が出会った中で1番印象的で大好きな作品です。少しの間占ツクを離れていて最後に読んだのは半年ほど前でしたがほとんどの内容を知っかりと覚えていました。続きが公開されるのを今か今かと待っています笑大好きです！ (2019年8月19日 0時) (レス) id: 58d14c974b (このIDを非表示/違反報告)
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