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夕飯を食べ、風呂に入りとりあえず姉さんを先に寝かせる。
…あの人、眠いの無理やり我慢しようとするからな。
俺はあの子供の面倒を見なきゃいけないからまだ起きる…が、


『お前はどうするんだ、マレウス』


マ「…僕も、あの子どもを見ている。
似たような年の者がいた方が、安心するだろう」


『……それもそうか。じゃあ行くぞ』


すたすたと子供が眠っている部屋へ行く。
扉を開けると、


リ「………ぁ」


『ん』


ちょうど起きていたらしい。扉を開けようとしたんだろう。右手が宙に浮いている。


『起きたか。体調はどうだ、熱は引いたか』


額に手を伸ばそうとすると、ぱちん、と手を弾かれた。
あ、と声を溢す子供。すぐに顔色を蒼くした。


リ「…ご、ごめ、ごめんなさい!
もうさからわないからっ、言うことちゃんときくから!
だからいたいことはしないで…っ」


ごめんなさい、ごめんなさいと謝り続ける子供。
手で頭を庇い、その場にしゃがみ込んだ。


マ「!?」


マレウスが俺と子供を交互に見てわたわたとしている。
慌てるのは分かるが、せめて言葉に出してくれ。


『…何を勘違いしているか分からないが、俺はお前を傷つけていたばか共とは違う。
ましてや、お前を傷つけるつもりも全くない。
とりあえず、ベッドに戻れ。まだ体がキツいだろう』


よいしょ、と軽い体を持ち上げベッドに戻す。
抱えた感覚だと、熱は引いたようだな。
マレウス用の椅子をもう一つ用意し、椅子に座る。
子供がじ、とマレウスの方を見ていることに気付いた。
どうやらマレウスも気付いたらしい。ふ、と笑った。


マ「このつのが気になるか?
ふふ、そうだろうな。本来、人間にはついていないものだからな…」


『ばーか、お前も人間だろうが。
こいつのこの言い方は気にするな。このつのもちょっとした突然変異だ』


マレウスの頭を自身の胸に押しつけ撫でる。
全く、こんな言い方一体誰に似たんだろうな。


リ「…ぁ、あの、あなた、は?」


『俺はイーシスだ。お前を拾ったのは俺の姉さん。
こいつはマレウス。数年前に俺が拾って、ここで育てている。で、お前は?』


一気に話したせいだろうか。緊張して急いで喋ろうとする子供。


マ「…ゆっくりでいい。イーシスも、待ってくれる」


子供はこくり、と頷き一度大きく深呼吸をした。


リ「…ぼ、ぼくは、リドル。




___…リドル・ローズハート」

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通りすがりのs - 神作見つけてしまった…!更新待ってます! (2020年10月25日 14時) (レス) id: 10b3fdbd55 (このIDを非表示/違反報告)
ウィルゴ・パルテノス - 続きお願いします (2020年10月5日 7時) (レス) id: 97fd350fc4 (このIDを非表示/違反報告)
ウィルゴ・パルテノス - 続きお願いします (2020年10月4日 18時) (レス) id: 97fd350fc4 (このIDを非表示/違反報告)
シバ - ああぁぁぁぁ!リドルママが怖いいぃぃ 更新待ってます! (2020年10月1日 17時) (レス) id: 344258cf85 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:初音アン | 作者ホームページ:http://twitter.com/hakureiaria5  
作成日時:2020年8月29日 23時

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