ふしぎなこどもたちを拾いました (ページ27)

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二人を宥め、ヴィーをスカーのいる部屋へ案内する。

『こっちだ』

ク「ああ、邪魔するぞ」

部屋に入ると、スカーは上半身を起こしこちらを見ていた。
頭には変わらず、布が巻かれている。

『スカー、体調はどうだ』

レ「…べつに、なんとも」

『そうか』

この数日、多少の会話が出来る程度にはスカーは心を開いてくれた。
スカーはヴィーに対してぎろりと睨んだ。

レ「…おい、そいつは誰だ」

ク「デイヴィス・クルーウェルだ。
イーシスに呼ばれてきた、ただの薬師だが？」

レ「呼ばれただけならなんで俺の所に来るんだ。
いらねぇだろ」

『お前の怪我がどうも治りにくいからな。
僕よりも腕のいい薬師に少し見てもらおうと思って』

レ「薬師？…お前、医者のたぐいか」

ク「医者まがいをしているだけだ。
ほら、仔犬。何もしないから怪我を見せてみろ」

レ「俺様を仔犬って呼ぶんじゃねぇ！」

ク「悪いが、躾がいのある歳下は仔犬と呼ぶようにしているんだ」

そう言うヴィーに、後ろからフォローするように姉さんがひょこりと顔を出した。

キ「で、でもねっ。ヴィーは腕は本物だよ。
それに、こう言ってるけど、こどもには優しいし…ね？安心して(((にこ」

そう言い姉さんがスカーの頭を優しく撫でる。
こいつ、僕が頭を撫でようとすると一瞬威嚇するくせに姉さんには何もしないんだ。
……ん？もしかして。

レ「………わかった。そのかわり、少しでも変なことしやがったらその腕噛み切ってやる」

ク「ほう？やってみろ、仔犬」

『なんでお前は変に煽るんだ…』

　

少しスカーの怪我を見たヴィーが一言。

ク「…毒、だな」

『は？』

レ「……」

ク「この仔犬の怪我の原因は、切り傷などもあるが他にも遅効性の毒を盛られてるからだ。
…それも、随分とタチが悪いな。ゆっくりと、だが着実に死.に至るものだぞ」

『ッヴィー、こいつを助ける方法は！』

ク「任せろ、ある。…だが、必要なものが足りない」

『必要なもの？』

こくり、とヴィーは頷き、

ク「イーシスとキーリスからのハグd

『馬鹿と冗談も状況を見て言え、ばか』

………砂だ」

『…砂？』

レ「ッ」

ク「ああ、チョウコウ草という薬草を砂に変え、それを真水、ナグラの花と混ぜ調合したものがあれば治る」

『草を、砂に…？そんなの、』

ク「ああ、不可能だ。
故に、この毒を盛られたものは百の確率で死.に至った」

　

だが、