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獣人の子供を見つけて一週間ほど。

傷が深かったためか、中々あの子どもは起きない。
僕と姉さんがかわり代わりで様子を見ているが、起きる気配がない。
時折うなされるように顔をしかめ、ぐるる…、と唸っている。

正体は分かっているが、あの布はまだつけさせたままにしている。
起きた時布がないと混乱させてはいけないからな。

今は姉さんがあの子どもを見ている。
一応、起きたとき用に色々持たせてはいるが…大丈夫だろうか。
…そろそろ交代するか。よいしょ、と椅子から腰を浮かすと、



キ「うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


『だから女性らしい声を上げろ姉さん!』


あの子供が寝ている部屋へ急いで向かうと、子供がベッドの上で姉さんに威嚇していた。


レ「グルルル…ッ!」


キ「あばばばばば」


『落ち着け姉さん。…そしてお前もな。
安心しろ、僕たちはお前に何もしない』


姉さんを後ろに庇い、前に出る。


レ「グルルル…ッテメェ、だれだ…!」


『俺はイーシス。こっちは姉のキーリスだ。
で、お前は?』


レ「知らねぇやつに教えるわけねぇだろ!…っげほ、げほ」


大きい声を出し咳き込む子ども。


『ああ、ばか。一週間も寝込んでたのに急に大声なんて出すからだ。
姉さん、飲み物持ってきてくれ。出来ればお湯がいい』


キ「分かった、待ってて!」


子どものそばに行き、背中をさする。
その間にも子どもは暴れ、僕の腕や足に引っ掻き傷が出来る。


マ「っ貴様!イーシスに…」


リ「おちついてくれ、マレウス!」


部屋の前で飛び出そうとするマレウスをリドルがどうにか抑えている。
…ごめんな、二人とも。


キ「二人ともおーちついて!
兄さん、お湯持ってきたよ!」


『助かった、姉さん!』


姉さんからお湯の入ったカップを受け取り、子どもに無理やり飲ませる。


『悪い、飲め!』


レ「ぅが…ッ」


こくり、こくりと喉が動くのを見てカップを口元から離す。


レ「てっ、め…、何、のませやがった…!」


『ばか。目覚めのお湯だ。安心しろ、万が一と用意してたただの白湯だ。何も入ってないさ』


ぽす、ぽすと頭を撫でる。


『警戒心が強いのもいいことだが、少しは落ち着け。
…とりあえず、もう一回白湯飲むか?』


レ「…いらねぇ!」


『そうか。寝とくか?』


レ「ねるッ!」


そう言い、子どもはベッドに寝転んだ。


『…だそうだ。部屋から出ようか、みんな』


…さーて、今回も少し厄介そうだ。

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通りすがりのs - 神作見つけてしまった…!更新待ってます! (2020年10月25日 14時) (レス) id: 10b3fdbd55 (このIDを非表示/違反報告)
ウィルゴ・パルテノス - 続きお願いします (2020年10月5日 7時) (レス) id: 97fd350fc4 (このIDを非表示/違反報告)
ウィルゴ・パルテノス - 続きお願いします (2020年10月4日 18時) (レス) id: 97fd350fc4 (このIDを非表示/違反報告)
シバ - ああぁぁぁぁ!リドルママが怖いいぃぃ 更新待ってます! (2020年10月1日 17時) (レス) id: 344258cf85 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:初音アン | 作者ホームページ:http://twitter.com/hakureiaria5  
作成日時:2020年8月29日 23時

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