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【深海奏汰】〜4〜 ページ48

あれからどうしてもどうしてもあのCDが気になってしまい、両親の目を盗んではCDの在り処を探していた。

こっそり父の部屋にも侵入してみたものの、見つから無かったのだ。

今日とて見つかるはずもなく、トボトボと自室へと帰っていた途中


『あっ…餌切らしちゃってる…。』


ペットの亀さんの餌が切れていることに気がついた。

父が餌をドバドバとやるので、このままでは体に良くないと思い、当分の間は餌を減らすようにしていたのたのだ。

しかし、胃の方がでかくなってしまっているのか、少量の餌では満足ができなくなってしまっているのかもしれない。

亀に対する哀れな気持ちが芽生えて、餌をやろうと水槽を覗き込んだときだった。

あれ、なんか沈んでない?

明らかに綺麗な水槽の中では浮いている、黒い箱が目に付いた。

飼育に必要な機械だろうか、それにしては線もコードもなければ気泡を出しているわけでもない。

不審に思って取り出してみると、黒い箱はCDケースぐらいの大きさであった。

ん?CDケース?

もしやと思って箱を開いてみると、案の定探し求めていたCDが見つかった。

わざわざ防水の箱に入れて水槽に入れる限り、よほど見られたくのなかったのか凄まじい執念を感じる。

住処を占領された亀が一番の被害者ではあるが。


してやったりという気持ちを抑えて、早速自室へと戻ろうとした時であった。


『あっ。』

「あらら〜?」


運が悪いことに、父と鉢合わせである。

勿論父の目線はCDの方に向いていて、私が見つけ出したことを悟ったようだ。


「このまえもいいましたが、これはあなたにはまだ【はやい】ので、みてはいけません…♪」


穏やかな口調だが、その瞳には決してCDを渡すまいとする強い執念が渦巻いている。

このまま渡してしまえば、多分このCDには二度とお目にかかれないだろう。


「よって、【ぼっしゅう】しまーーー…」

「さ、さようなら!」


没収しようと伸ばされた手を器用にかわして、私は
一目散に部屋へと駆け出した。

後ろは怖くて振り返れない。

ガチャリと部屋の鍵を閉めて、ぬいぐるみやクッションや雑誌などで入口を完全にガードする。

けれどそんな抵抗も虚しく、まるで鍵など最初からなかったかのようにあの人は平然と入ってくるのであった。









今回は5話です

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らんちゃん - 深海くん最高でした、、、!! (2018年3月26日 17時) (レス) id: 5da59bc768 (このIDを非表示/違反報告)
ニカ姫 - あんスタの桃季君大好き (2017年6月4日 16時) (レス) id: 39e38305d9 (このIDを非表示/違反報告)
レイア(プロフ) - ヤバイです!ハマりました!!もう部屋の中で一人発狂してました(笑)更新楽しみにしてますね!! (2017年3月29日 3時) (レス) id: f480fe51c3 (このIDを非表示/違反報告)
アクアリウム(プロフ) - お帰りなさいです!めっちゃ更新、続きを楽しみにしていたので帰ってきてくれて嬉しいです!これからも応援してます! (2017年3月27日 18時) (レス) id: 8d5de3cdea (このIDを非表示/違反報告)
しょこらて - たくさん応援メッセージやリクエストありがとうございました(;_;)皆様の温かいコメントは、本当に心の支えになったし、嬉しかったです。これからもあんさんぶるパパーズをよろしくお願いします。m(__)m (2017年3月20日 23時) (レス) id: 7a983a56c9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しょこらて | 作成日時:2016年3月6日 18時

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