【深海奏汰】〜2〜 ページ46
しょっぱいしょっぱい海鮮丼を食べ終えた私は、久しぶりに自室の整理整頓をしていた。
ここのところ部活が忙しかったから、部屋は無惨にも散らかったままである。
散らばっているクッションやお気に入りのチョウチンアンコウのぬいぐるみをかきわけながら本棚を整頓していると、カシャリと何かが落ちる音がした。
『何これ、CD…?だよね?』
透明なケースに入っているCDは、売り物ではないのか表面は真っ白だ。
しかし、よく見ると端の方に小さく【夢ノ咲学院二年生深海奏汰】と記されている。
父が高校時代からアイドルの卵として活躍していることは知っていて、私も何度か両親の高校時代のCDや映像を視聴したことがある。
しかし、父の映像や音声は、私が見たことがあるのはほとんど高校三年生時のものであり、それ以前は見たことがなかった。
父が流星隊として活躍していたのは高校三年生からであり、それまで何のユニットに所属していたのかは、私もよくわからない。
だから、少し興味が湧いて。
別にあの人のことが気になるとか、昔のあの人を知りたいとか、そんな乙女みたいな感情で動いてはいないけれど。
ちょっとだけ、ほんのちょっとだけよくわからないあの人に近づけるような気がして。
今じゃかなり古いタイプのCDラジカセを押入れから引っ張り出して、ちゃんと機能するかどうか調べる。
埃っぽいけど、まだ充分に働いてくれそうだ。
ケースから慎重にCDを取り出して、傷が付いていないか念入りにチェックし、ほんのちょっとの期待を込めてセットする。
緊張で高鳴る鼓動を抑えつつ、ワクワクしながら再生ボタンに手をかけた。
カチャッ。
「ーーー…だ。ーーーーーが…」
ザーザーとなる砂嵐で、声が聞き取りにくい。
思い切ってポンっとラジカセを叩くと、うるさかった砂嵐はあっさりと消えた。
「やっとですか…☆随分と待ちわびていましたよ。あなたの誇るべき友として、ライバルとしてっ!精一杯見届けさせていただきますよっ!奏汰!」
「シーッ!渉にいさん、ちょっとうるさいヨ。撮ってることがバレル…。」
「はははっ♪いいじゃねぇか、音声だけだし。今日はあいつにとっての大舞台なんだからよ。
……五奇人深海奏汰の大舞台、同胞の俺たちがしっかり見届けてやろうぜ。」
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らんちゃん - 深海くん最高でした、、、!! (2018年3月26日 17時) (レス) id: 5da59bc768 (このIDを非表示/違反報告)
ニカ姫 - あんスタの桃季君大好き (2017年6月4日 16時) (レス) id: 39e38305d9 (このIDを非表示/違反報告)
レイア(プロフ) - ヤバイです!ハマりました!!もう部屋の中で一人発狂してました(笑)更新楽しみにしてますね!! (2017年3月29日 3時) (レス) id: f480fe51c3 (このIDを非表示/違反報告)
アクアリウム(プロフ) - お帰りなさいです!めっちゃ更新、続きを楽しみにしていたので帰ってきてくれて嬉しいです!これからも応援してます! (2017年3月27日 18時) (レス) id: 8d5de3cdea (このIDを非表示/違反報告)
しょこらて - たくさん応援メッセージやリクエストありがとうございました(;_;)皆様の温かいコメントは、本当に心の支えになったし、嬉しかったです。これからもあんさんぶるパパーズをよろしくお願いします。m(__)m (2017年3月20日 23時) (レス) id: 7a983a56c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しょこらて | 作成日時:2016年3月6日 18時