【衣更真緒】〜2〜 ページ40
〜1〜の続きです
ぐったりと、如何にも具合が悪そうな父が、足を引きずりながら帰ってきたのは、あれから一時間もしないうちの出来事だった。
『パパっ!ねぇ、大丈夫なの⁉』
「おぉ、大きくなったなぁA…、暫く帰ってこれなかったもんな、久しぶり。」
体調が最高に崩れかけているにも関わらず、相変わらず魅力的な笑みを絶やさない父はさすが一流アイドルとでも言うべきか。
そんなに、無理をしなくてもいいのに。
『それより、大丈夫なの?倒れたってママから聞いたから、心配してたのに。』
「はは…、悪りぃな。ちょっと過労気味で倒れこんだだけだよ♪全く…、大袈裟だよなぁ、あんずは。」
大袈裟というか、当たり前のことだと思うのだけれど。
父はやれやれと言った様子で、困ったような笑みを浮かべながら私の頭を撫でる。
なんとも言えない安心感が頭から全身に広まって、思わず涙ぐんでしまう。
そんな私を驚いたように見つめてから、仙石みたいに泣き虫だなぁと父は私を抱きしめた。
仙石?たしか、流星隊の黄色い人はそんな名前だった気がする。
泣きながらいろいろと思考を巡らせている私の頭を撫で続けながら、何か手伝うこととかあったりする?と尋ねてくる父は、自分のほうがよっぽど手伝われる立場ということを、忘れているのではないだろうか?
いつもそうだ。
なんでも自分の事を後回しにして、他の人のために懸命に働く。
そんな父のことを尊敬していたと同時に、ずっと心配していた。
今だって、早速私を放して洗濯物に取り掛かろうとしている。
ーーーーねぇ、パパ。お家くらい、ゆっくりしてもいいんだよ?ここは、パパのお家だよ?
心の中でぽつりと紡ぎ出した感情は、きっと父に届くことはないだろう。
流れ星は、三回声に出さないと願い事を叶えてくれないのだ。
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らんちゃん - 深海くん最高でした、、、!! (2018年3月26日 17時) (レス) id: 5da59bc768 (このIDを非表示/違反報告)
ニカ姫 - あんスタの桃季君大好き (2017年6月4日 16時) (レス) id: 39e38305d9 (このIDを非表示/違反報告)
レイア(プロフ) - ヤバイです!ハマりました!!もう部屋の中で一人発狂してました(笑)更新楽しみにしてますね!! (2017年3月29日 3時) (レス) id: f480fe51c3 (このIDを非表示/違反報告)
アクアリウム(プロフ) - お帰りなさいです!めっちゃ更新、続きを楽しみにしていたので帰ってきてくれて嬉しいです!これからも応援してます! (2017年3月27日 18時) (レス) id: 8d5de3cdea (このIDを非表示/違反報告)
しょこらて - たくさん応援メッセージやリクエストありがとうございました(;_;)皆様の温かいコメントは、本当に心の支えになったし、嬉しかったです。これからもあんさんぶるパパーズをよろしくお願いします。m(__)m (2017年3月20日 23時) (レス) id: 7a983a56c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しょこらて | 作成日時:2016年3月6日 18時