【月永レオ】〜3〜 ページ25
〜2〜のつづきです。
『す、すごい人混み…!』
イベント会場に着いてからの感想は、とにかく人が多いということだった。
あの後、落ち込んでいる私を見て、母が手助けしてくれたのだ。
本当は迷っていたのだけどと差し出された母の手には、イベントのチケットが握られていた。
父親の事で悩んでいた私のことを、ずっと気に病んでくれていたらしい。
本当に良い母親に恵まれたものだと、改めて実感する。
人混みをなんとか掻き分けて、なるべくステージが見えるような場所を探す。
支度に手間取って大分遅刻してしまった為、予定よりかなり遅れてしまった。
本来は開演30分前には来る予定だったが、今はもう開演5分前である。
目を凝らしてよく周囲を見渡す。
すると、会場の隅っこの方に若干ステージから遠いが人混みが少なく、よくステージが見えそうな場所を発見する。
私はやっとの思いでそこにたどり着き、そばにあった階段に腰を下ろす。
都会の人混みを、なめていた。
下手したら体育の授業と同じくらい辛いかもしれない。
バックからペットボトルを取り出し、口に含む。
ミネラルウォーターが、こんなに美味しいものだとは…。
すっかり疲れた後のミネラルウォーターの美味しさに感動していると、丁度イベント開始のアナウンスが入った。
急いで立ち上がり、ステージの方に視線を向ける。
遠くて少し見えづらいが、まだステージに父の姿は見えない。
落ちつけ、私。まだ舞台は始まったばかりなのだから。
そう胸を撫で下ろしているのも束の間、いきなり会場から大きな黄色い歓声が沸き上がった。
何事かと思い、周囲の大声に耳を塞ぎながら、再度ステージに注目する。
遠くからでも分かる、周りとは明らかに違う神々しい存在感。
普段テレビ越しにしかみる機会がないので、生でみるのはこれが初めてである。
優美、かつ騎士道な国民的アイドル、knights。
「みんなーっ!今日はアタシたちのイベントに来てくれて、どうもありがとうねぇっ!」
「『アタシたち』、じゃないでしょなるくん?俺たちはゲストとして呼ばれただけだからねぇ。」
「アラ、そうだったわねぇ。じゃあ、本日の主役に登場してもらわなくちゃ。王様、出ていらっしゃい?」
「わはははは!急かすなよ、ナル!おかげで俺のインスピレーションが全て吹き飛んだぞ!」
王様とよばれた男性は、舞台の上に勢いよく飛び出す。
そう、この人こそが私の父親、月永レオ本人であった。
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らんちゃん - 深海くん最高でした、、、!! (2018年3月26日 17時) (レス) id: 5da59bc768 (このIDを非表示/違反報告)
ニカ姫 - あんスタの桃季君大好き (2017年6月4日 16時) (レス) id: 39e38305d9 (このIDを非表示/違反報告)
レイア(プロフ) - ヤバイです!ハマりました!!もう部屋の中で一人発狂してました(笑)更新楽しみにしてますね!! (2017年3月29日 3時) (レス) id: f480fe51c3 (このIDを非表示/違反報告)
アクアリウム(プロフ) - お帰りなさいです!めっちゃ更新、続きを楽しみにしていたので帰ってきてくれて嬉しいです!これからも応援してます! (2017年3月27日 18時) (レス) id: 8d5de3cdea (このIDを非表示/違反報告)
しょこらて - たくさん応援メッセージやリクエストありがとうございました(;_;)皆様の温かいコメントは、本当に心の支えになったし、嬉しかったです。これからもあんさんぶるパパーズをよろしくお願いします。m(__)m (2017年3月20日 23時) (レス) id: 7a983a56c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しょこらて | 作成日時:2016年3月6日 18時