キス ミー ダーリン4 ページ6
「……ダリくんの為、だよ」
「建前は以上、それで本音は?」
「一応本当…ただ、私もキス以外で食べられる物を作れたら良いなとは思っただけで」
口をすぼめてロールケーキを見つめる…因みにロールケーキはスポンジを食べているようで、生クリームやフルーツは食器用洗剤のような人工的な味と匂いがした。飲み物も全般駄目で水は油を直接飲んでいるような舌触り。
東京喰種では珈琲だけ飲めると書いてあったから案外いけるかも知れないと飲んで見るも、苦過ぎて喉を痛めて飲めたものじゃない。そんな中見た目はおどろおどろしいが魔茶だけは飲めた為、もう魔茶信者になるしかないよね。魔茶を極めし者になる未来しか浮かばなかった。
兎に角察して貰えば…まぁね?口に含んだ瞬間、お嬢様らしからぬ醜態を晒して吐いたよね。大人達の悲鳴が木霊して、それはもう凄まじかったとだけ伝えておく。
「笑って良いよ?」
「いや、笑わないよ」
こう言う時は馬鹿にしないで笑わず話を聞いてくれるダリくんは狡い。無謀な挑戦だとは理解しているが、やはり食べて見たいと願っても全て不味くなるのはどうにかしたいのだ、何より今後ダリくんに好きな人…恋人や結婚と言う話になれば私の存在は邪魔だろうし、悪魔は自由奔放な恋愛を好むと聞くが、逆に一途で嫉妬深いという話しも聞く為、泥沼化した痴情の縺れに巻き込まれるのは勘弁願いたい。
不特定多数の男女と恋愛するのも魔界では許されるものの、その分やはり恋敵も増える。悪役令嬢の立ち位置的にはザマァ展開一直線だと思うんだ…何とかして断罪ENDだけは避けなければ。私が悶々と百面相すれば、ダリくんは微笑ましげに見つめており…私と目が合えば、頭を撫でてくれる。何か私の事、ペットだと思ってないかな?
「これ食べても良い?」
「勿論!」
「……凄い、店に売っている物見たいだ」
洗練された所作でフォークを扱い口に含むダリくんは、普段閉じて目尻を下げた瞳を見開いた。甘々としたキャラメル色の瞳を覗かせる、ゆっくりと咀嚼するダリくんは飲み込むと笑みを零した。
「美味しいよ、手作りには思えないくらい」
「はぁ、良かった…」
やはり得意な事を褒められるのは嬉しくて目を細めれば、ダリくんはまたも私の頭を撫で回して来た。やっぱり私の事をペットか何かだと思っていないかい?まぁ…撫でられるの好きだから良いんだけどね?
「将来キスをしなくても生きられる身体になれたら嬉しいな…」
「はっ?」
「えっ?」
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くまのん - 最高すぎる‼‼続きがめちゃくちゃ楽しみです‼応援してます (4月7日 0時) (レス) @page23 id: 333fed96b4 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 私逆ハー大好物なので嬉しいです!魔入間のキャラ全員推しなので嬉しいです!更新頑張ってください! (7月11日 18時) (レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
スズメ - めちゃくちゃ好きです‼更新待っています! (7月9日 21時) (レス) id: 333fed96b4 (このIDを非表示/違反報告)
りんか(プロフ) - え、、最高好きです、、続き楽しみにしてますっ!頑張ってください!! (2023年3月30日 4時) (レス) id: d3fb5e7475 (このIDを非表示/違反報告)
シャルネ(プロフ) - もう最高すぎて、、これからも応援しています! (2023年3月18日 9時) (レス) @page17 id: 22dcb2cbb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼空 | 作成日時:2023年2月16日 11時