フラグはへし折るモノ3 ページ21
彼は私の口から『寂しい』と言う言葉を求めているんだな?と直ぐさま察した、寂しくないと言えば嘘になるが何だか釈然としない。良いように手の平で転がされているような気がするからだ、膨れっ面でダリくんを見ればどこか楽しそうに目を細めて来る為私も対抗心から貴族令嬢らしく完璧なまでの作り笑いを浮かべた。
「いいえ、全く寂しくありませんが?」
「ふはっ…本当にAは愛おしいくらいに可愛いね?」
ど う し て そ う な る 。
終始大人な対応のダリくんに負けた気がして何とも言えない気分になる、それは勝負に勝って試合に負けた見たいなやり場のないやるせなさ…単純に悔しい。一泡吹かせてやりたい…理性的で優しい彼を狼狽えさせて見たいと思うのに、どんな私をもダリくんは猫可愛がりするからどうしようもないと言うのが正解何だけれどね。
「数日に一度は帰る予定だから、何かあれば僕を呼んでくれるかな」
「それって主に食事についての事ですよね」
「まぁ、それも勿論あるけど…僕からすれば大切で可愛い君に頼られたいんだよ」
どんな些細な事でも構わない、ただAに僕の事を頭の片隅にでも考えていて欲しいなって?そうダリくんは私の横髪を指先に絡めて触れるだけのキスを落として来た、そう言う事を平気で行うから困るんだけど……ダリくんから一歩下がり私はわざとらしくコホンと咳き込み、制服のスカートを軽く持ち上げ美しいカーテシーを見せてから笑みを零す。
「ダンタリオン先生、それでは失礼致しますわ」
「ふふっ…はい、気を付けてお帰り下さいね?」
口元に手を添えてにこやかに頷いたダリくんに対して思う事はただ一つ。驚き狼狽える彼が見たい、無性に何故かそう思えてしまった。
真新しい薄ピンク色の制服、ローファーをカツンと鳴らして背の高いダリくんのネクタイを掴みこちらへ来るように引っ張る。突然の事に対応出来ず前のめりで近付いた彼の唇へ色気もないぶつけるような口付けを交わし離れて行った。きょとん…と目を丸くさせて唇に触れたダリくんへ、してやったりと不敵な笑みを浮かべた私は逃げるようにユニコーンの飛び乗った。
「それではご機嫌よう♡」
勝った、完全勝利である。あんなにも間抜け面でポカンとしたあどけない顔をするダリくんを見れただけでも満足だと長い尻尾を揺らす、逃げた私に対してダリくんは顔を赤くしその場で体を屈めため息を吐いていたとは気付かなかったりする。
「本当に…あの子は小悪魔何だから」
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くまのん - 最高すぎる‼‼続きがめちゃくちゃ楽しみです‼応援してます (4月7日 0時) (レス) @page23 id: 333fed96b4 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 私逆ハー大好物なので嬉しいです!魔入間のキャラ全員推しなので嬉しいです!更新頑張ってください! (7月11日 18時) (レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
スズメ - めちゃくちゃ好きです‼更新待っています! (7月9日 21時) (レス) id: 333fed96b4 (このIDを非表示/違反報告)
りんか(プロフ) - え、、最高好きです、、続き楽しみにしてますっ!頑張ってください!! (2023年3月30日 4時) (レス) id: d3fb5e7475 (このIDを非表示/違反報告)
シャルネ(プロフ) - もう最高すぎて、、これからも応援しています! (2023年3月18日 9時) (レス) @page17 id: 22dcb2cbb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼空 | 作成日時:2023年2月16日 11時