推しはあくまでも鑑賞するものである。 ページ7
「お前、俺と結婚する気がないらしいな」
「いや、決してそんな事は…」
「……俺が周りの噂を鵜呑みにして、お前を傷付けたのが原因だろう」
「ゑ？」
本日、家の屋敷に現れたカルエゴくんに何をして遊ぼうかと呑気に考えていた私は、使用人がティーセットを準備している隣でその問い掛けに一体なんの話しだ？と文字通り首を捻った。しかし、後悔し謝罪しに来た雰囲気のカルエゴくんがいた為、淑女らしからぬ狼狽え方をしてしまう。
「や、違うよ！？全然！気にしてないし！寧ろ噂もあながち間違ってないものっ！」
「謙遜か、良く出来た女だな…」
「いやいや！本当に！……正直、カルエゴくんのおかげで今の私がいると言っても過言じゃないから」
貴方に性格の悪い女だと生まれて初めて暴言を吐かれ、記憶を思い出すきっかけを作ってくれたカルエゴくんには頭が上がらない。人生を見つめ直す事が出来た…貴族とは、淑女とは何かを必死に考える理由が出来たから。
「私はあの時、あの瞬間…初めて自身の生まれる意味を知った気がするの。だから謝罪は受け取らないわ…」
「だが…それでは俺の気が済まない」
「じゃあ…もしカルエゴくんが良ければ、これからも親しい間柄になって欲しい。それで全て水に流そう？」
私、カルエゴくんくらいしか友達がいないから…仲良くして貰えると嬉しいのだけれど。そう照れくさそうに言い頬をかいたAに対して心底可哀想な目で見つめたカルエゴは「分かった」と頷いていた。
「ところで、それが理由じゃないとしてどうして突然婚約破棄をすると言い出したんだ？」
「えっ？だってカルエゴくん、私と結婚するのを嫌がったじゃない。だから出来る限り嫌がる事はしたくないし、させたくないなぁ…と思って？」
その言葉に呆然とするカルエゴに、私何か可笑しな事言ったかしら？と狼狽え添えられた魔茶の入ったカップに手を伸ばす。結果的にやはり俺のせいで婚約破棄になった事に少なからずショックを受けたカルエゴは頭を抱える。そこで漸く自分はこの女に惚れていたのかと気付いてしまった。
「例えば、俺がそう言わなければ結婚していたか？」
「それはない」
「はっ？」
「別にカルエゴくんが嫌なわけじゃないよ、ただ貴方のお相手が私というのが」
想像出来ない、解釈違いなだけで…とは零さず何とか口を噤む。好きだけどそれは推しという意味で恋愛に結び付けるのは恐れ多い、後カルエゴくんはモテるから単純に釣り合わないと言いたい、それだけ。
エスコートの予約はハンカチを手渡す。→←前世日本人たるもの、やはり和食は食べたい。
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蒼空(プロフ) - 子銀さん» そう仰って頂けると大変ありがたいです😭分かります…私もごっちゃになる場合がありますので、また可笑しなところがあればご報告して頂けると嬉しいです！これからも頑張ります❤🥳 (2023年2月3日 23時) (
レス) id: 20a6d91668 (このIDを非表示/違反報告)
子銀 - 全然大丈夫ですよ(＊´ ∨｀)「魔入りました！入間くん」は、名前表記が「苗字・名前」なので混乱しやすいですよね。私も最初はどちらが名前か分からなかったので大丈夫ですよ。とても面白くて、いつも拝見しております。これからも応援しています。 (2023年2月3日 22時) (レス) @page40 id: db01bfa191 (このIDを非表示/違反報告)
蒼空(プロフ) - 子銀さん» うわぁ！申し訳ございません！子銀様の仰った通りだと気付き直させて頂きました😭ありがとうございます！これからも宜しくお願い致します🙇♀️😊 (2023年2月3日 21時) (レス) id: 20a6d91668 (このIDを非表示/違反報告)
子銀 - ずっと気になっていたのですが、マルバスは苗字だと思います。親戚にマルバス・f・ヤバシがいるのでマルバス・マルではないでしょうか？間違っていたら申し訳ございません。 (2023年2月3日 19時) (レス) @page40 id: db01bfa191 (このIDを非表示/違反報告)
蒼空(プロフ) - 読者さん» 感想ありがとうございます❤読者様でも分かりやすく馴染み深いキャラクターとなるとやっぱりピカチュウが無難かなぁ…と？これからよ頑張ります🥳 (2023年1月31日 8時) (レス) id: 20a6d91668 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼空 | 作成日時：2023年1月25日 6時
