バブみのあるお姉様に転生したなら推しを甘やかしたい。

使い魔、召喚の儀式で帰らせたのはきっと私が初だと思う２ ページ24

「異例だけどそう言う時もあるよね。それなら…僕がAさんの使い魔召喚の儀式に立ち会おうか？」
「えっ？宜しいんですか…？でも、授業とか…」
「その心配なら大丈夫！午後から特に予定はないし、他の先生達が忙しいなら僕が一番適任だよ。クラスを決めないと行けないしなるべく早い方が良いからね？」
「お手数をお掛け致しますが宜しくお願いします」
「はい。宜しくね？何事も失敗は付き物だから気落ちせず気軽に頑張ろうか」

ーーー

スライムを召喚した！なんとスライムは起き上がり、仲間になりたそうな目でこちらを見ている！

仲間にしますか？

はい
▶ いいえ

スライムは寂しそうに去っていった。

「こらこら、こらこら！ちょっと待ちなさい！」
「……はい」
「今召喚したよね？なのに今自分で召喚を解除させて逃がしたように見えたんだけど？」
「……気の所為です」
「僕の目を見てから言おうね」
「っ、トラウマなんです！！」
「スライムが？」
「スライム…」

というか前世の記憶全般が駄目な気がして、大人の事情とかそういう理由なんだけど。すぅ…と気まずさから視線を逸らす私と苦笑いなダリくんがいる。するとまたももう一枚羊皮紙を取り出したダリくんが私へ手渡して、呆れたようなため息と共に口を開く。

「一応予備で持って来てはいるけど、これで最後にしようね。どの魔獣を召喚しても嫌がらない…無理に仲良くなれとは言わないけれど、畏れ敬う事は忘れない。それだけはしっかり覚えておいてよ」
「はい…すみません」

深呼吸して、もう一度魔法陣の中の位置に付き羊皮紙を灯す蝋燭へ焚べる。ゆっくりと燃え広がるそれを眺めながら目を閉じた。もう何かが出て来ても驚かない。大丈夫…畏れ敬う。ダリくんが見ている手前、これ以上の醜態は晒せない。光り立ち込める煙の中を覗き見ればそこにはーー…ずんぐりむっくりな随分と懐かしい全体的な黄色いフォルム、頬には赤い色をした「電気袋」が見えて、クリクリして真ん丸な黒い瞳。長い耳と尻尾はハート型…なるほど♀個体である。

「ピカチュウッ！」
「ﾋｪｯ」

待って欲しい、先ずは果てしなく可愛い。確かにモンスターだものね、別の作品のキャラクターを召喚出来るのって凄いよ。スライムも然りなんだけど…でもね、可愛いけれどこの子もアウトでは？いや、だけど羊皮紙はもう貰えないし…そもそもこちらを見上げるピカチュウの目がきゅるんとしていて大変可愛い。そんなの契約するしかないじゃない。

結果的にうちの子が一番可愛いよねって話。→←使い魔、召喚の儀式で帰らせたのはきっと私が初だと思う。

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