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一悶着と新たな推し4 ページ16

この才女は、それを誰にでも分け隔てなく当たり前に接する事が出来るのだから凄いと言える。ただそのデメリットとしては家族や自身の悪周期は癒せないと言うのだから彼女の家系は大変だろうなぁ…とその癒し声に耳を傾けた。

「ありがとう、疲れた身体にその言葉は効くね…」
「良かったです。あの…ダリくん」
「うん?なんだい?」
「……来年、私もバビルスへ通い伺いますので宜しくお願い致します」
「!、それは楽しみだね…こちらこそ、その時は気軽に話し掛けて欲しいな」

ほのぼのと話し合っていたが、凄まじい殺気に似た何かがこちらへ向かっておりゾクッとする。顔色を悪くさせてパッと手を離した私と可笑しそうに笑うダリくんは「そろそろ君の騎士に襲われそうだから今度こそ失礼するね?」と先程の紳士的な立ち振る舞いとは打って変わり、親しみのある笑顔で手を振りバルコニーから出て行く。入れ替わりでこちらへ小走りで来たカルエゴくんは私の顔を見るなり舌打ちした。

「お前、妙な男に言い寄られてなかったか」
「いや、あの人は寧ろ助けてくれた方で…」
「ほぉ…つまり何だ。Aはその前に別の男に言い寄られていたと言う発言に聞こえるが?」
「……すみませんでした」
「馬鹿が、一体何の為の護衛とエスコート役だ。こうなる事を予測して今晩のダンスを断ろうとしていたと言うのに…」
「でもカルエゴくんと踊りたそうに熱視線を送られたら流石に我が儘も言えないもの」
「全くお前は、どうしていつもそう自分の優先順位を後回しにするんだ…」

それを言われると耳が痛い。でも推しはあくまでも鑑賞するものだと思っているし勝手に独占するのもなぁ…何よりカルエゴくんは私だけの特別な相手というのは違う…婚約者なら兎も角、元婚約者なら尚の事だろう。苦笑いする私へカルエゴくんは大きく呆れたようにため息を吐いた。

「俺はお前の両親から頼まれていたんだがな」
「それは…ごめんなさい、軽率な発言で行動をしたと思う」

カルエゴくんがいないなら直ぐにでも両親の傍に行けば巻き込まれる心配はなかったと言える。あの男から掴まれた手首がじわりと痛み始めた、咄嗟に庇うようにもう片方の手の平で隠すもあの目敏いカルエゴくんには通用せず隠した手首を見下ろされた。

「手を庇っているようだが、何かあったのか」
「……掴まれただけだよ、そんなに酷くないし」
「……はぁ、全く。どうしてそれをもっと早く言わなかった、お前の両親に伝えて今直ぐ帰るぞ」

変態の思考回路は理解し難い。→←一悶着と新たな推し3



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蒼空(プロフ) - 子銀さん» そう仰って頂けると大変ありがたいです😭分かります…私もごっちゃになる場合がありますので、また可笑しなところがあればご報告して頂けると嬉しいです!これからも頑張ります❤🥳 (2023年2月3日 23時) (レス) id: 20a6d91668 (このIDを非表示/違反報告)
子銀 - 全然大丈夫ですよ(*´ ∨`)「魔入りました!入間くん」は、名前表記が「苗字・名前」なので混乱しやすいですよね。私も最初はどちらが名前か分からなかったので大丈夫ですよ。とても面白くて、いつも拝見しております。これからも応援しています。 (2023年2月3日 22時) (レス) @page40 id: db01bfa191 (このIDを非表示/違反報告)
蒼空(プロフ) - 子銀さん» うわぁ!申し訳ございません!子銀様の仰った通りだと気付き直させて頂きました😭ありがとうございます!これからも宜しくお願い致します🙇‍♀️😊 (2023年2月3日 21時) (レス) id: 20a6d91668 (このIDを非表示/違反報告)
子銀 - ずっと気になっていたのですが、マルバスは苗字だと思います。親戚にマルバス・f・ヤバシがいるのでマルバス・マルではないでしょうか?間違っていたら申し訳ございません。 (2023年2月3日 19時) (レス) @page40 id: db01bfa191 (このIDを非表示/違反報告)
蒼空(プロフ) - 読者さん» 感想ありがとうございます❤読者様でも分かりやすく馴染み深いキャラクターとなるとやっぱりピカチュウが無難かなぁ…と?これからよ頑張ります🥳 (2023年1月31日 8時) (レス) id: 20a6d91668 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蒼空 | 作成日時:2023年1月25日 6時

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