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それは、搬球トーナメントが目前に迫った頃、呪力で砂絵を描く授業が終わった後のことだった。
「1班の人と、蓮水さんは少し残ってください。」
太陽王という変なあだ名を付けられた、我らが担任遠藤先生が言った。
教室から出ようとしていた私と早希、真理亜は顔を見合わせる。
天野麗子を除く1班メンバーと私は、太陽王を取り囲むように集まった。
「突然なことではありますが、明日から蓮水さんは1班のメンバーになってもらうことになりました。
少し急で驚くかもしれませんが、皆和貴園からの友達だし、問題ないでしょう。」
「…でも、あ、「「…やったぁ！」」」
天野麗子さんは??と口にした言葉は、早希と真理亜の歓声にかき消されてしまった。
「やったぜ！Aと瞬がいたら、1班の搬球トーナメント優勝は決まりだな！」
覚は満面の笑みで私の背中をばしばしとたたく。
「夏季キャンプも皆揃って行けるね。」
瞬が私に笑いかける。
「明日からよろしくね、A！」
守はいつもよりも少し大きな声で言った。
「…う、うん！明日から、改めて宜しく！」
私は皆の勢いに押され、遂に天野麗子の事を切り出すことが出来なかった。
この不自然な班替えが、倫理員会議長、朝比奈富子様直々の決定によるものだと私達が知るのは、まだまだ先のことだった。
そして、突然消えてしまった天野麗子に関して、なんの疑問も抱かなかったのも、私たちの思考が巧妙に操作されていた為だと知るのも、また先の話になる。
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「…と、言うわけで、1班の皆さんにはハンデを与えたいと思います。」
そう宣言すると、太陽王は机の上の粘土を、半分程持って行ってしまった。
「いくらAと瞬がいるからってそりゃーないぜ…」
覚は深いため息をついた。
「悩んでたって仕方がないさ。トーナメントまでもう期間もない…
推し子の粘土を減らすのは無理だと思うんだけど、残りの粘土で攻め手と守り手を作るのは難しいな…」
瞬は形良い眉をひそめた。
「…私、粘土の組成を変えれるよ。
体積は減っちゃうけど、粘土の密度を上げて鉄みたいに固く重くすることは出来ると思う。」
やったことはないけど、呪力の教本に書いてあったやり方をイメージすればできるはずだ。
瞬は驚きの表情を見せた。
「Aはそんなこともできるんだ…
でも、それだけ出来れば僕達1班にも充分勝機はある！」
私達は1週間後に迫った搬球トーナメントに向けて、円陣を組んだ。
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銀 - 初コメ失礼します。私は鏑木さんが大好ぶｔ… 大好きなのでうれしいです。続きを楽しみにしています。 (2021年6月16日 18時) (
レス) id: da1440f3b3 (このIDを非表示/違反報告)
珊瑚 - 最近碧さんの書かれるこのお話を知りました。新世界よりの夢小説はなかなか珍しいので続き楽しみに待ってます。 (2020年1月27日 22時) (レス) id: 98e28c3fa5 (このIDを非表示/違反報告)
碧 - LiLi様 コメントありがとうございます!! 先は長いですがゆっくり進めていこうと思ってますので、気長に待ってて下さい(´▽`) (2019年8月31日 9時) (レス) id: 79787a8d8f (このIDを非表示/違反報告)
LiLi(プロフ) - 新世界より、わたしはアニメにどハマりしました！！！すごく嬉しいです！更新待ってます応援してます(*ﾟ∀ﾟ*) (2019年8月30日 1時) (レス) id: 844718911f (このIDを非表示/違反報告)
碧 - かなと様 ご指摘ありがとうございます。不注意でした…フラグ外しました。 (2019年8月24日 20時) (レス) id: 5ef3e2de9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：碧 | 作成日時：2019年8月24日 19時
