あの日の嘘と優しさと 3 (ページ18)

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大「あの日を否定、…するわけじゃ、なくって…」

あ「……。」

大「けど……。」

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その時、俯いて

口元をぐっと引き締めた彼が

なにか、他のことを考えているのは
一目瞭然だった。

迷ったように、

あとから慌てて付け足されたその言葉は

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大「昔っから
　顔に……出やすいみたいでさ、俺。」

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その時、同時に

感じてた思いは私の中で

確信へ、と変わってく＿＿＿＿＿。

朝、学校に登校してきた彼が
居た、あの光景が思い出されて

あ「…」

私は深く、深呼吸をして目を閉じた。

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だから、迷ったのよね？

学校に行くべきか、あなたは考えた挙句

隣であなたを見上げて笑う、
彼女の気持ちを優先したって、

それだけだよね？

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あ「そうよね。」

大「？」

あ「だってバレたら、困っちゃうもんね…」

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……私はホントに素直じゃない。

小さな嫉妬に映るようで

彼には朝に見かけた彼女のことを
決して口には出さないまんま、小さく笑う。

あ「だって、ねぇ。」

大「……」

突然、くすくすと笑い出した私を
怪訝そうに見て来た彼には

そんな日常は、当たり前のことすぎて

きっと理解できないのだろう。

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あ「＿＿＿＿＿ね。」

大「…ぇ、」

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あ「あんなことがあったからって
　そんなに、動揺しなくていいんじゃない？」

大「、ってどういう意…」

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だって。

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あ「だって、

　あなただって学校生活
　これからも、うんと楽しんでいきたいだろうし」

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あ「私が好きなのは
　今も変わらず、……慧なんだから。」

黒目がちな瞳を見つめて

早口で、そう言った私の言葉に

あなたは口をぽかんと開けて静止した。

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