あの春、君と。 (ページ45)

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T side

単純に自分が喉乾いたから

コンビニに寄り道。

何も考えずに宮田に水を頼むと

シンと静まった車内に君と2人。

エンジン切ったら

当たり前だけど暖房も切れて

そこでやっと

玉｢温かいお茶のほうがいい？｣

君からのリクエストは

まさかのほうじ茶ラテ(笑)

こっそり宮田にメールで

ほうじ茶ラテ！！って言ったけど

既読がつかなかった。

宮田からミルクティーを受け取った君と目が合い

2人でクスッと笑った。

それだけで温かい気持ちになった俺は

2人が後ろに並んで座ってるのを見ても

さっきの何気ない会話を思い出して

上機嫌で車を走らせる。

ふーん。

Aちゃんは車運転できるんだ。

彼女を甘やかしたいタイプの俺は

迎えに来てなんて言われたら

すぐに行くタイプだ。

どうなんだろ。

自分で運転出来る人は。

そもそも仕事終わりの俺を

アシに使うタイプの人じゃないか。

途中で宮田の家に向かってることに気づいた時も

俺が帰るの遅くなることを心配してた。

いざ宮田を家まで送り2人になると

どうしたって意識してしまう。

君の住所をナビに入れて

場所を確認してもらうとき

ナビをのぞき込むために顔が近くにくる。

近づいた勢いで

君の香りが今日1番強く感じる。

｢うん、合ってるよ！｣

ニコニコしながら俺の顔を見てそう言う。

平常心、平常心、、

玉｢しゅっぱつーー｣

運転には自信があったけど

いつもより優しく加速し、ブレーキをかける。

寒くないかな。

信号で止まった時に暖房の温度を少し上げ

後ろを見ると

君はミルクティーを1口飲んでいた。

玉｢寒くない？大丈夫？

そーいえば俺、Aちゃんの連絡先

知らないんだよね。後で教えてね。｣

ちょっと緊張した。

有難い事にこの職業は凄くモテる。

仕事以外だと

自分から連絡先を聞かなくたって

どんどん知り合いが増えていく。

自分から女の子に連絡先聞くなんて

久しぶりで、、

後ろをチラっと見ると

｢うん｣

その返事に思わずにやけてしまう。

玉｢Aちゃんはさー

ほうじ茶が好きなの？｣

君のことを少しでも知りたくて

色々聞きたくて質問しても

もう返事はなかった。

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