あの春、君と。 (ページ39)

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タクシーが1台到着する。

北山さんが乗り込む。

私は今日は絶対一緒には帰らないと

さっき心に決めたから乗らなかった。

すると宮田さんも玉森さんも乗らない。

北｢あれ？みんなタクシーじゃねぇの？｣

玉｢今日俺車なんだよね｣

宮｢優しい玉が送ってくれるんだー｣

ねー(笑)

うるせぇ

なんてやり取りをしだす。

北｢あそ(笑)

Aちゃんは？どうする？｣

｢あ、私も今日は大丈夫です｣

北｢そ？じゃーまたね。お疲れー｣

家に帰る雰囲気じゃなかった。

また女の勘に嫌になる。

たぶん、会うんだろうなー。

ちゃんと始まる前に

終わってしまったこの気持ちを

自分でどう処理すればいいのか分からない。

無事に別で帰れることにホッとして

またじんわり涙が出る。

北山さんのタクシーが見えなくなり

｢よし！じゃー私も帰るね！お疲れ様ー｣

宮｢え？電車で帰るの？

一緒に玉に送ってもらおうよー｣

｢ええ！？そんなの申し訳なさすぎる、、｣

宮｢ね？いいよね？玉？｣

玉｢いいよ、どーせ宮田送るし変わんないよ｣

と車を止めてるコインパーキングへと歩き出す。

宮｢行こ行こー｣

優しく私の背中を押しながら歩き出す。

たぶん1人で駅に向かって歩いてたら

どんどん悲しくなって

泣いてたかもしれない。

仲良しな2人のやり取りを聞いてると

微笑ましくて面白くて

気持ちが沈みきらずに済んだ。

2人で後ろに乗ろうー

なんて宮田さんと話しながら

コインパーキングに着いた。

玉｢宮田ー7番精算しといてー｣

と宮田さんにお金を渡し

スタスタ歩いて行く。

どうすればいいか分からず

宮田さんが精算するのを見守る。

機械の音声に従って精算しながら

宮｢北ミツはさー男でも惚れるくらい

カッコイイよねー

ごめんね。俺何にも気付いてなくて｣

｢そんな！特に何か行動したわけでもないし

うん、、大丈夫。｣

改めて好きだったんだと思うと

また涙があふれそうになる。

今日はダメだな。

また宮田さんの優しい声が

涙を加速させる。

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