あの春、君と。 (ページ21)

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T side

朝起きた時から

やっぱり膝に違和感があった。

てゆーか痛い。

シャワーは本番前に入るし

朝ごはんもケータリングがある

暖かいほうじ茶をゆっくり飲んで

最近衝動買いしたキャップを被ってみる。

、、、似合わねー(笑)

絶対イジられる。

急いでフードのある服に着替え

キャップの上からフードをかぶる。

、、ま、いっかこれで。

と思ったと同時に

伊垣さんから着いたと連絡が着た。

｢よし、行きますか｣

東京ドームに着いてすぐに朝ごはんを食べる。

本番直前に胃に食べ物が入ってると

気持ち悪くなっちゃうから早く食べないと。

納豆はマストだね。

近くで食べてる宮田に

玉｢宮田ぁ、今日もテーピング欲しい｣

宮｢自分で行けよ(笑)

なんで俺が取りに行くんだよー｣

玉｢よろしくな｣

あんなこと言ってるけど

ちゃんと持って来てくれるのが宮田なの。

昨日は気付いたら

女の人が自分の膝を冷やしてくれていた。

急いで巻いてくれたであろうテーピングは

しっかりと膝を固定してくれていて

とても楽だった。

順調にリハーサルが進んでいく中

宮｢玉ぁ、テーピング巻きに来て欲しいって

言っといたよー｣

玉｢は？｣

待て待て待て待て。

巻いて欲しいまで言ってませんけど？

は？

ちょっと焦ってる俺を見て

宮田がニコニコしてる。

振りを確認し終わり

照明の話を二階堂がスタッフさんと始めると

不意に後ろから

｢あの、、テーピング持ってきたんですけど、、｣

やっぱりマジだったか。

全力で冷静を装って座る場所を探す。

近くに椅子がなく

セットの裏に腰掛ける。

壊れる心配してて面白い子だなー

なんてぼんやり考えながら

テーピングされてゆく自分の膝を見つめる。

痛いのか聞かれたけどごまかした。

だって痛いって言っても

自分の代役はいないし、やりきるしかないから。

昨日に引き続き

彼女にテーピングしてもらった膝は

やっぱり驚くほどに楽だった。

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