死に囚われた人【第五人格】 (ページ37)

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「離せ」

「なんで」

「酒臭い」

「ん」

「やだ！飲まないから！離せっての…！！！美智子さん！！！！！」

んじゃねーよんじゃ！！！！
こいつ、ん、とか言って私に酒を差し出したのである。やめろ、未成年だぞ。
もがいていると美智子さんとの試合の時によく聞く、刹那のあの音が聞こえた。そして、スパァン！と聞こえたと思ったら美智子さんが扇子でサベダーの頭を叩いた。痛そう。いや絶対痛いじゃんすごい音したよ。
サベダーはと言うと酒瓶を床に置いたまま空いた手で頭を抑えている。時々「いっ…う」って唸ってるから生きてるね。拘束が解かれた隙に立ち上がって美智子さんの後ろに隠れた。

「Aに何してはるん？ナワーブはん。」

…美智子さん、すごく怒ってる。
いや相変わらず綺麗なお顔のままだけど、この声に含まれるのは、怒り。
怒ったままの美智子さんは私に笑顔を向けて「マーサはんの所行ってきいや」と言って私の背中を押したので、言葉通りマーサの方に行って片付けを手伝う。

「A、どうしたの？さっき凄い音したけど、大丈夫？」

首を傾げるマーサがとてもかわいい……すき……(限界オタク)
どうやら大量の食器を洗っているらしく私も手伝うためにスポンジを手に取った。

「大丈夫。…ねぇマーサ。」

「何かしら」

「サベダーって酔うと抱きつき魔になるの？」

「…え？」

予想外の返答が帰ってきた。え？だってそうじゃないとなんで私あんなことされたの？ってなるからてっきり肯定の返事が返ってくるものだと…。

「…私が知る限りそんな事はないはずよ…」

一体何されたの？と困り顔で聞かれたので事の顛末を話した。そうすると、マーサは怒った顔に…マーサ？

「A、少しここ頼んでもいいかしら。」

「？うん、いいよ」

手を洗って拭いてマーサはサベダーがいた方へ歩いていった。何が起こるの…こわいよ。

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前のお話の所にも書きましたが、この作品のえっちぃバージョン公開しました。私の作品欄にあります。(URL載せるとこの作品もフラグ扱いになってしまう)