好きでいて欲しいから。 ページ7
.
｢ここ…｣
｢うん、俺が告白した場所｣
坂田くんが背伸びして高級レストランに
連れて行ってくれて、あたふたしてるのが
可愛くて、外で夜景を見ながら告白されて、
ベタだなあなんて思いつつ嬉しかった
あの日の事が鮮明に思い出された。
よりによってそんな場所で…
気付いた時には涙が溢れていた。
｢え！？ちょ、俺まだなんも言ってへんで？｣
｢こん、なところで振る、なんて、ひどいよ…｣
途切れ途切れの言葉も、涙でぐしゃぐしゃに
なってる顔も、坂田くんの前で見せたくない。
でも涙は止まることなく溢れてくる。
｢え？振るって？勘違いしてない？｣
｢へ？｣
｢A、俺Aのこと大好きやで？｣
｢え、じゃあ｣
｢俺が言いたかったんはこっち！｣
そう言ってさっきのアクセサリーショップの
袋を取り出す。中に入っていたのは
小さい箱でさすがの私でも察しがつく。
｢これって、｣
｢俺、Aの全部が好き。
ちょっと無理してキュンとさせようと
してくるとこも、顔真っ赤にして照れてる
とこも、1人で抱えこむ強がりなとこも、
幸せそうに俺の隣で笑ってくれるとこも
いいとこも悪いとこも全部含めて好きや。
だから、俺と結婚してくれませんか？｣
箱を開けて跪く彼を見て相変わらず
ベタなことするもんだと思いながら
涙は一向に止まらず。
もちろんさっきと理由は違うけど。
｢はい、喜んで｣
｢はああ〜よかった！緊張したわ！！｣
｢っていうか私がわざとあざとくしてたって気付いてたんだねさかたくん｣
｢だって会ったばっかのAこんなんちゃうかったし！まあ頑張ってるんやなあって可愛かったけど｣
｢…なにそれ、むかつく｣
｢あーそうやって悪態ついてる方が好きやで！｣
｢さかたくん、ドMなの？｣
｢ちがいますー｣
どんな私でも受け止めてくれる
そんな坂田くんがいるから
｢あざとい彼女｣はもうやめる。
｢ありのままの私｣で坂田くんの
隣にいたいから。
あざといかのじょ × さかたさん 終
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 129人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あんこ | 作成日時：2018年10月8日 19時
