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昔からよく例え話として話題になっていた『ゾンビ』という存在が、とうとう現実になったのだ。こうなると、実際にこの目で見て確かめたくなるのが俺の性。
部屋の窓を開け放って、自室から外の様子を観察する。
「ほぉ〜……意外といるな……」
さっきまで俺を追いかけ回していたゾンビ共が、まだそこら中にウロウロしている。ゾンビ化していない人を見かければ襲い掛かり、次々と仲間を増やしている。その様子は、昔見せられたスプラッタ映画よりも数倍残酷に見えた。
人間だった頃の面影を少しも残さないソレは、とても『生きている』様には見えなかった。
「こっわ……！けど、なんか面白い！」
外に出れば、ゾンビ共の餌食になってしまうかもしれない。恐怖心と好奇心を天秤にかけ、好奇心の方が傾いた。
窓を閉めて、部屋にあった大きめのリュックを背負うと、リュックに付けていた白尻尾のチャームが揺れた。高校時代の親友たちとお揃いで買った、俺の宝物。アイツらが今もコレを付けているかは分からないが、俺はずっと愛用している。……っと、思い出に浸りすぎた。
今から目指すはコンビニ。せめて数日分の食料は確保しておきたい。それに、誰か生存者がいるかもしれないし！
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作者名：あんこ | 作成日時：2023年12月28日 21時
