【WT】ゾンビになるまでに、尾も白いことやり尽くす (ページ4)

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ゾンビパニックページ4

中村(Nakamu) side

「ハァッ……ハァッ……！」

朝から全力疾走するって、結構疲れるんだな……。そんな事を頭の隅で思いながらも、走り続けるのをやめない。
そこら辺に置いてあった観葉植物などを倒して足止めに使ったり、2階から駐輪場の屋根に飛び降りたりしながら、ゾンビ共と距離を離していく。
気分も最高潮になって、普段なら恐怖で足がすくんでしまうような事だって平気で出来てしまう。

「あっはははは！あははははは！」

流石に笑い過ぎかな？でも、楽しいものは仕方ない。このまま走り続けていれば、きっとなんとかなる気がする。根拠なんてどこにも無いけれど、『勘』がそう言っているのだから。

「よいしょーっ……とぉ！」

マンションをよじ登り、ゾンビ共を撒いてから自室のある階に侵入する。ゾンビ共が俺を見失って困惑している隙に、ササッと自室に入り込んだ。

「ふぅ……はぁ……っ」

流石に限界を迎え、近くのソファーに倒れ込んで息を整える。運動不足の身体にはかなりキツいようだ。しばらく休んだ後、立ち上がって部屋の中を見回す。

「さてと、これからどうしようかな……」

仕事に行く必要は消え失せたし、この先どうしようか。世界が今どんな状況かも気になるし、とりあえずテレビでも点けてみようかな。そう思った俺は、テレビの横に置かれていたリモコンを手に取り、電源ボタンを押す。

『た、たった今政府から発表がありました！現在、世界ではゾンビ化が広がっており、国民は安全な場所に避難するようにとの事です！また、生き残っている方は……』

テレビからは報道番組が流れており、どうやら世界中で同じような事が起こっているらしい。アナウンサーも平静を装っているが、その顔には焦りがありありと浮かんでいる。

「ふーん、ゾンビかぁ……！」

冷静に考えているつもりの俺は、その言葉に興奮を隠せなかった。