【WT】ゾンビになるまでに、尾も白いことやり尽くす (ページ3)

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例えるならばそれは、アニメや漫画でよく見るような……

「ぞ、ゾンビ…だ……」

自分でも分かるほど声が震え、動揺を隠せない。俺の声に反応し、ゾンビはこちらを向く。
目が合った瞬間、奴は俺に向かって飛びかかってくる。

「グァアッ！！」
「うわっ？！」

ゾンビの噛みつきを間一髪で避け、べしゃりと体制を崩したソイツに目をくれる暇も無いまま、慌てて部屋を飛び出して無我夢中で走る。
ついさっきぶつかったヒトもどうやら人間では無かったようで、俺を見つけると一目散に追いかけてきた。

ゾンビ共から必死で逃げる様は、今までの日常では考えられなくて。
不謹慎なのは重々承知だが、なんだかこの状況にワクワクしている自分がいた。

「……ふっ、ははっ！」

俺は、思わず笑い声を上げていた。目が覚めたら世界がゾンビパンデミックを起こしていたなんて、夢にも思わないだろう。
まるで、物語の主人公になったみたいだ。

「うおおおおぉぉぉぉ！！！！」

俺は雄叫びを上げながら、ゾンビを避けて突き進む。ずっと逃げ続けていても仕方ない。どうせならこのゾンビパンデミックを満喫してやる！！