【WT】ゾンビになるまでに、尾も白いことやり尽くす (ページ17)

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Help me！ページ17

村部(Broooock) side
部屋にはキングサイズのベッドと、拘束具に張り付けられた女のゾンビが一体。
部屋の外には、数え切れないほどのゾンビがいっぱい。水は既に尽きているし、食料も底を尽きそう。

「……やっばぁ…こんなSM部屋で生涯を終えるとか、絶対嫌なんだけどぉ……」

死ぬなら、せめて綺麗なベッドの上で安らかに死にたい。上司に連れられて行ったキャバクラから、流されるがまま入ったラブホテルで死ぬなんて御免だ。
そんな事を考えていると、ズボンのポケットに入れっぱなしだったスマホがメッセージの受信を教えてくれた。
ズボンからスマホを取り出して画面を見ると、グループラインに1件のメッセージが届いている。送り主は高校時代の同級生である『中村』だ。

【中村︰みんな、今何してる？】

送られた時間は10時間ほど前だが、回線も混雑しているのか、今やっと僕の元に届いたらしい。
僕は藁にもすがる思いで中村にメッセージを送る。簡潔に、でも意図が伝わるように、僕は住所を送った。

【村部︰東京都〇〇区××町3-××× のホテル。部屋で篭城中】

震える手で送信ボタンを押して、そのままスマホの画面を消す。これで中村に居場所が伝わったはずだ。
部屋に拘束しているゾンビもそうだが、いつ扉が破られてもおかしくない。こんな衰弱した状態ではろくな抵抗も出来やしない。
脱水で揺らぐ視界を閉じて、次に起きた時は人間で居られるかななんて呑気なことを考えながら、僕は意識を手放した。