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「……あー……のさ、落ち着いて話そうや、甚爾くん」
男性にしては長めの髪が、私の顔を擽っていて、その奥にある瞳は、苛立ちをまとっている。
何ヶ月も暮らしてるんだからその位は分かりますし!ナメンナヨ!!
「……俺、」
「ハイッ」
ぽつりと甚爾くんが言葉を発する。
「かなり頑張った方だろ?」
「エッ、あ、……うん?」
どうしたんだろう、仕事で疲れたのか?それともあのお家絡みか?
ヤバい、話が全然掴めない。
「……だから、だからさ」
鋭い瞳が、先程とは打って変わって甘さを含む。
「もう、いいだろ」
優しく目の下を撫でられて、ピクリと身体が反応した。
成程、我慢してたのはこの事だったのか、とスッキリしたのもつかの間。スッキリすると直ぐ気を抜く癖直そ!!私!!
ヤバい、これは、ヤバい。
呪霊襲撃事件の時と同じように、カンカンカンカン!!!!と警報が鳴っている。
まずまず何が引き金になったのか分からないんだけど!?
私、前髪輪ゴムで結んでるし、伸びきった高校のジャージ着てるし、何が甚爾くんの興奮材料になったのか分からない……。
待て待て待て待て。そこより今は目の前だろうが私!
「甚爾くん、こういうのは心の準備ができてからするものだから。せめてイライラがおさまってからにして」
「嫌だ。せめてキスさせろ」
「いつも自我薄いくせに!こういう時は頑固なのね!」
これがプロヒモがプロヒモたる所以か!このイケメンが!(褒めてる)
「とにかく!こんな急に迫られて納得する女なんて居な……いや、いるっちゃいるか」
「オイ話をすり替えるな」
圧力をかけてくる甚爾くんに段々と腹が立ってきた私は、目の前にある甚爾くんの頬にキスをした。
「……よし!閉廷!………んぇ…」
私にとっては精一杯の譲歩だったのだが、それが気に食わなかったのか甚爾くんは、青筋を浮かべると私の顔を掴んだ。
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栗まんじゅう愛してる(プロフ) - お松さん» 見つけてくださってありがとうございます🥹🥹頑張ります🔥💪🏻 (11月25日 18時) (レス) id: ceba318f19 (このIDを非表示/違反報告)
お松 - 初めてこれ読むけど、すごい面白いです!更新頑張ってください!!😘 (11月25日 16時) (レス) @page26 id: f0ee455632 (このIDを非表示/違反報告)
栗まんじゅう愛してる(プロフ) - すんさん» 規模デカすぎて笑います…🤣更新頑張りますね!! (11月13日 19時) (レス) @page50 id: ceba318f19 (このIDを非表示/違反報告)
すん - 終始穏やかじゃなかったです心中。常に叫んでました。神作品をありがとうございます更新頑張ってください…!!数億年なら待てます (11月13日 18時) (レス) @page50 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
栗まんじゅう愛してる(プロフ) - Yunaさん» ありがとうございます!やったー!更新頑張ります!! (9月21日 15時) (レス) id: 184391ef54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:栗まんじゅう愛してる | 作成日時:2021年3月9日 21時