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「…ごめんなさい」
「?何がだ」
「…あ、いえ、なんでもないんです」
「そうか」

やば、意味わかんなかったよね。パパ黒の過去を私が知ってるはずないから。

「あ…どうします?ご飯でも食べていきますか?」
「いや、だからお前その足で飯作れんのか?」
「…そうでした」

マジで抜けてるな。まだテンパってるんだなきっと。そうじゃなかったらマジで馬鹿だよ私。
マジで馬鹿なのかもしれないけど。

「あ、じゃあ俺と一緒に住むか?」
「……………………………………え?」

ちょちょちょい待ち?今の衝撃発言に私は開いた口が塞がらない。悪戯っぽく微笑むパパ黒。

「あ、の、じょ、冗談でっですよね?さすがに名前も知らない人とと住むわけっけには」
「噛みまくりじゃねーか。そういえば名前言ってなかったな。俺は…禪院、甚爾だ。」

ポーカーフェイスのまま名前を言う。知ってる知ってる。するとふっと笑みを浮かべて、本気だよ。じゃねぇと俺は言わねぇ。とまたもや爆弾を落としていくパパ黒。

本気だよ、じゃないけど!?

「……怪我の治療代は昆布と飴でいいなんて言ってねぇぞ」
「うっ…」

ぐっ。運んでもらった上に傷の手当までしてもらって上からの物言いはできない…さっきまで後光が指しているとまで思った私は馬鹿だ。
さっきの微笑みはどこへ行ったのか、ニヤニヤと悪魔のような笑みを浮かべるパパ黒。

これが目的だったのか貴様…たとえ推しでも、急に一緒には住めない!!さすがに初対面の男と住むほど危機管理能力は劣ってないから!舐めすぎじゃないですか!?

でもこれでいいよって言った人がいっぱい居たんだろうな…。引く気持ちよりも、私の心の中はほぼ同情が占めていた。

「……可哀想に」
「…は?」

ポロリと口から飛び出た本音。突然の言葉に眉を寄せ、こちらを睨みつけるパパ黒。

「お前、それどういう意味だ」
「…そうしなきゃ、生きていけなかったんだなって。……私と一緒」
「一緒?」
「…わ、たし、両親に…捨てられたんです。」

これは前世の話。私は本当に捨てられた。捨てられかけた、の方が正解かな。私はぽつりぽつりと言葉を紡いだ。

「私を、拾った人が、前に虐待で自分の子供を殺害した暴力親で。私はそれを知らなかったもんですから。色々あって」
「…そうか」

多分混乱状態で精神が疲れてるんだろうな。不幸自慢みたいに話して、恥ずかしい。

「あ、すみません。こんな話、して」
「…いや、続けてくれ」

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栗まんじゅう愛してる(プロフ) - お松さん» 見つけてくださってありがとうございます🥹🥹頑張ります🔥💪🏻 (11月25日 18時) (レス) id: ceba318f19 (このIDを非表示/違反報告)
お松 - 初めてこれ読むけど、すごい面白いです!更新頑張ってください!!😘 (11月25日 16時) (レス) @page26 id: f0ee455632 (このIDを非表示/違反報告)
栗まんじゅう愛してる(プロフ) - すんさん» 規模デカすぎて笑います…🤣更新頑張りますね!! (11月13日 19時) (レス) @page50 id: ceba318f19 (このIDを非表示/違反報告)
すん - 終始穏やかじゃなかったです心中。常に叫んでました。神作品をありがとうございます更新頑張ってください…!!数億年なら待てます (11月13日 18時) (レス) @page50 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
栗まんじゅう愛してる(プロフ) - Yunaさん» ありがとうございます!やったー!更新頑張ります!! (9月21日 15時) (レス) id: 184391ef54 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:栗まんじゅう愛してる | 作成日時:2021年3月9日 21時

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