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虚「朧の墓参り、、、ですか」
松「、、、長年世話になりましたしね」
明日は朧の命日。
丁度、1年だ。
朧は
最後まで2人を慕っていて
、、、
私のことを思っていてくれた。
私たちを引き合わせただけじゃない。
朧は、、、
わ
松「とても良い一番弟子を持ったと思っています
でしよう？」
松陽は私と虚に尋ねる。
虚は少し神妙な面持ちでこくりと頷いた。
虚「まぁ、朧に関しては私も関係ない、
とは言えませんね
、、、彼がいたからこそ私たちは貴方に再び巡り会えたのですから」
ぽつりとこぼした虚の本音。
松陽は微笑を浮かべ、
松「おやおや、素直になりましたね。
それじゃあ明日みんなで行きましょう
きっと朧も喜びます」
ーーー
「あれ、Aちゃん！
今日もお使いかい？」
陽気な声で若い男がAに話しかける。
気づいたAは花屋に立ち止まり
店に飾られた花を品定めしながら話す。
A「ちゃん呼びはやめてくれ
お使いじゃないが、花が欲しい
、、、墓参り用のだが」
Aは軽くあしらい買い物を済ませる。
「可愛いね、健気で凛としててね
そんなAちゃんにこれ、オマケね！」
直ぐに作られた墓参り用の花束に
似合わない大きな赤い花を添えて
Aにぐいっと押し渡した。
A「有難う」
慣れた様子で代金を払ってその花屋を後にする。
松「仲睦まじいですねぇ、
それにこの生活にも大分慣れてきてるみたいで」
A「まぁ、お前らより1年早かったしな
、、、何を思ってるのかは知らんが
あの男はただの知人だ」
おや、バレてましたか。
仲が良くて、Aちゃんなんて呼ばれてて
胸の奥がちくりと、、、いえ
考えられないほどの痛みに襲われた。
それはきっと虚も同じ。
Aは私と虚の手にそっと手を添えて
また歩き出した。
虚「、、、A、また小さくなりました？」
たしかに以前よりも手が小さく感じる。
、、、いや、実際小さかった。
A「むっ、、、私が小さくなったんじゃない
お前らが大きくなったんだ」
少し強く握り返して拗ねるA。
私達が男だとはいえ
1年の差が直ぐに埋まるとは思わない。
つまり、、、
元からアルタナ成分を持つ私達の方が
Aよりも身体的には成長している訳です。
虚「なるほど
、、、それは好都合」
ぼそりと呟いて
少し嬉しそうに顔を背ける虚。
その声は
きっとAには届いていない。
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作者名：ありやけさん | 作成日時：2021年1月20日 23時
