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新「その気持ちはありがたいですけど、、、
ほら、まだ熱あるじゃないですか」
額に手を当てられて熱を測る。
台所へ向かう彼の背を見送り
眠ろうと定春の毛に手をかける。
虚「こら」
その手を掴まれて制止される。
A「、、、眠たい、、、」
虚「駄目ですよ、その犬は今から散歩です。
それにほら、私の膝が空いてますよ」
とんとんと自分の膝を叩き誘導する虚。
それにつられるようにふわふわとした頭のまま虚の膝に乗っかる。
A「、、、
あーあ、前は私の方が大きかったのに
また差が開いてる、し、、、」
独り言のように言うと真後ろから腕を掴まれ
虚「そうですね
ほら、力だって負けてますね
、、、可愛いです。
このまま食べちゃいたいくらいです」
ぐいぐいと腕を振って離れようとするけど
やっぱり力が足りない。
まあ、いいか。
A「温かいし心地いいから
食べられても、いいかもしれない」
虚「、、、!
へぇ、本当ですか。
本当に食べちゃいますよ?
何一つ残らないくらいに、、、
ぐちゃぐちゃになっちゃうまで」
A「はは、
でも逆に食べられるかもしれないぞ?
私も食欲旺盛な歳なんだ」
ちろりと舌を出してみると
勢いよく舌が絡む。
一瞬驚いたが
直ぐに慣れてしまった。
A「は、っ、、ん、、」
虚「ふ、、、ぁ、」
台所にいる新八にバレないように少し声を抑えながら
長椅子の背もたれに隠れてお互い求めあった。
ーーー
新「Aさん、晩御飯出来ま、、、
寝ちゃいましたか」
虚「ええ、きっと病み上がりで疲れてたんでしょう
、、、特に舌が」
新「え?何か言いました?」
虚「いえ、なんでもありません」
そんな会話を繰り出す。
虚「、、、お粥、食べます?」
とんとんと肩を揺らし眠るAを起こす。
A「食べる、」
とろんとした目付き。
少しほぐれた髪の結び目。
ふわふわとした髪が起き上がるAの顔にかかり
その美しさに息を飲んだ。
むくりとおきあがったAの姿に
常人ならば耐え難い色気に
くらりとして一瞬頭が馬鹿になった。
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作者名:ありやけさん | 作成日時:2021年1月20日 23時