夫婦③ (ページ10)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:83,127 hit

3-10 ページ10

「はーい、じゃあ衣装かえまーす」

スタッフさんの声で、
私達はまた離れ離れになった。

「ふぅーっ」
っと息をついたら、
スタッフさんがご丁寧にグラスに入ったお茶を持ってきてくれた。

「大丈夫ですか？」

だ、大丈夫です、

「髪解きますね」

あー、
縛られてた髪が解かれて、
気持ちもちょっと緩む。

そしてお茶が異常に美味しい。

何のお茶ですか？
って聞いたら、
普通に伊右衛門茶ですって言われた。

なるほど。

「私、前に菅田さん担当した事あるんですけど、」

ヘアメイクさんが、
私の髪をブローしながらそんな話をし始めた。

「何だかいつもよりリラックスしてるみたいで、やっぱりAさんと一緒だからですかね」

なんですかそのテンアゲ情報。
ありがとうございます。
思わず頭を下げた。

ブローが終わったら、
またお着替え。

これ、ルームウェアですよね？
ジェラートピケだ。
モコモコのやつ。
欲しかったやつ。
これも買えちゃったりするのかな、

そんな事を思いながら、
２回目のスタンバイに向かう。

うそ、将暉もピケだ！
えーっ、
お揃い可愛い、
欲しいっ…、
やっぱり後で買えるのか聞いてみよ、

「じゃあ次はそのツリーの前に座ってくつろいでて下さい」

「く、くつろいでいいの？」

「Aこれ開けてみたら？」

でっかいプレゼント箱を私に渡してくる将暉。

「え、これ中入ってるの？てか開けていいの？」

「うん。さっき聞いたら別に開けてもいいって」

うそ、発砲スチロールかと思ってたのに。
確かにちょっと重い…。

破かない様に丁寧に開けたら、

まさに重い発砲スチロールだった。

「…」

「っはは！なんやと思った？」

当たってたじゃん…、
私は思いっきり将暉に投げつけた。

「危な！！」

「…じゃあ将暉これ開けてみなよ」

更にでっかいプレゼント箱をよいしょと将暉の前に置いた。

「いや発砲スチロールやん」

「こんなおっきいのある？」

「あるやろ」

2人で膝立ちして、
おっきいリボンを解いて、
ペリペリ包装紙を剥がしたら、

やっぱりでっかい発砲スチロールだった。

「…」

「…ｯﾌﾌ、」

「はーい、ちょっと休憩しまーす」

「え…何にもしてないんだけど、」

てか今のが休憩じゃなかったの？