風の魔法 ページ6
カイトside
ゆっくりと息を吸って、吐き出す。覚悟は、決まった。
床に左手をつく。空気が引いて、頭の中が空っぽになったような気がした。
アダムが魔法で縄を燃やそうとしているけれど、そもそもあの縄は僕の魔力でできている。燃えたりしない。
床についた手に意識を集中させて、魔力をためる。
さすがに魔力が足りなくなってきたのか、一瞬意識が遠退いた。
なんとか踏みとどまって、魔法を発動させるために目を閉じる。
心臓の音が、聞こえたような気がして
カイト『風よ──』
一陣の風が吹いた。
カイト『吹き荒れろ、荒れ狂え』
──昔、フウカの魔法を見た。ほんの少しの風を吹かして見せてくれただけだけれど
確かに、"見て"しまったんだ──
僕の周りを渦巻いていた風が、いきなり凄まじい音を立てて吹き荒れ始めた。
フウカの魔力にも耐えられるように、この城の中で一番頑強に作られているはずの牢の壁にピシッとヒビが入る。
パラパラと
風が、アダムを"殺す"ためにアダムに向かっていく。
僕の使った魔法により魔力を封じられているアダムは、最後の足掻きで逃げようともがいていたけれど──
呆気なく風に飲み込まれて見えなくなった、と、思ったとき
『やめてっお願い、静まって!!!』
耳に馴染んだ、大切な幼馴染みの声が耳の奥に響いて
叫び出したくなるほどに、悲しくなった。
・
5人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あんなつ♪(プロフ) - 爽さん» 戻るように頑張るぅうううっ!!!てかフウカたち三人組に頑張ってもらうぅううう!!! (2020年12月19日 21時) (レス) id: 2efed111d7 (このIDを非表示/違反報告)
爽(プロフ) - あんなつ♪さん» かっ…カイト君っ!!あの眩しい笑顔は何処へ!?ダメだぁ元に戻りなさぁあああああいいいいいいいいいいい((人様にどーゆー目線で言ってんだ (2020年12月12日 8時) (レス) id: 82f3ba1a1a (このIDを非表示/違反報告)
あんなつ♪(プロフ) - 爽さん» そうそう、みんな居るもんね!アリスちゃんとユウくんとアサヒくんもいるぞぉおお!! (2020年11月7日 16時) (レス) id: 2efed111d7 (このIDを非表示/違反報告)
爽(プロフ) - あんなつ♪さん» 私もフーカの陰にいるからねぇ泣頑張って〜〜っ泣泣 (2020年11月7日 15時) (レス) id: 82f3ba1a1a (このIDを非表示/違反報告)
爽(プロフ) - あんなつ♪さん» そうだよあんなつの方がママだかんねw泣くよ君の語彙力に拍手喝采っ!← (2020年9月12日 20時) (レス) id: b0b3a08d76 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ