らくだい魔女と両思いのち片思い〜ライラックの花言葉を君に捧ぐ〜

伝えたいこと ページ11

フウカside



ダダダダダッと勢いよく階段をかけおりていく。後ろにチトセとカリンも付いてきた。



カリン「なに……この魔力……！」



チトセ「これ、ホントにカイトの魔力なのか！？」



下からすっごい大きな魔力の気配がして、体が圧迫されたみたいに苦しくなる。



しかも、あたしはさっきのガートとの戦いでかなり魔力を使っちゃったから、足元はもつれるし視界は霞むしで大変！



でも、……もし、カイトがこの魔力を全部使ってベネスに魔法を放とうとしてるなら、今すぐ止めなくちゃ。



だっていくらベネスでもこんなのまともにくらったら死んじゃう！



カイトに、ベネス(おとうさん)を殺させちゃダメだ！！



あたしは、ぎゅっと下唇を噛むと、さっき真っ白な空間で見た昔の二人を思い出した。



幸せそうに笑ってた。血が繋がってないとか関係なしに、"本当の家族"だった。



例え今は違っても、幸せだった過去があるなら絶対諦めちゃダメだって、カイトに伝えなきゃいけない。



あたしがもっとスピードを上げて駆け下りようとした、その時。



下から一際強い魔力が競り上がってきて、グラリと地面が揺れた。



それと同時にあたしの体も前に倒れそうになって……──



チトセ「あっ……ぶね！」



ぐんっと腕を後ろに引かれる。ハッとした時には、あたしはチトセの腕にすっぽりと囲われていた。



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